39th Birthday
(10月1日、LOVE BRAVEはもはや自分たちの「本拠地」と化したシュルツ邸に集合しました。白くてきれいなクロスが敷かれたテーブルの中央に、何本かのスズランを挿したスカイブルーのガラスの花瓶が置かれ、4枚の皿の上には3枚ずつのパンケーキが盛り付けられています)
フィル 「ティム、39歳の誕生日おめでとう。乾杯!」
3人 「乾杯!」
(全員がジンジャーエールの入ったワイングラスを互いに鳴らしたあと、それらを掲げて天井に目を向け、飲み物を口にしました)
フィル 「いやあ、地上にティムが居たからLOVE BRAVEがあるね」
ヒューゴ 「ティムが居たから音楽できてるぜ」
ジミー 「ティムが居たから今があるよな」
スティーブン 「父さんが居たから俺が居ます」
(4人それぞれが、パンケーキを一口大に切って頬張りました)
フィル 「ティムが地上に生まれたのは僕たちにとって、いや、関係者全員にとって大きな恵みだよね」
ヒューゴ 「あいつ、こんなアホみたいな俺たちをしっかりまとめてくれてたし、いつも輝いてたな」
ジミー 「それな。特にライブで『JUNK HEAP』を弾いてるときのティムは、ある意味でフィル以上に目立ってた」
(ヒューゴとジミー、同じタイミングでパンケーキを切って頬張りました)
スティーブン 「俺も、あの曲は盛り上げナンバーの中で一番好きです♪」
ジミー 「それとさ、自分たちはライブで必ず最低1曲はインディーズ期に作られたナンバーを演奏してるんだ。なぁフィル?」
フィル 「そう、ティムへのリスペクトのためにね」
(フィル、パンケーキを切って頬張りました)
ヒューゴ 「ティムはプライベートの姿も、パブリックのそれとは違う魅力があったよな」
サラ 「そうなのよ!スティーブを抱っこしてるときとか、オムツ替えしてるときとか、私もうメロメロになるくらい優しい顔してたわ!」
スティーブン 「えっ、母さん、いつの間に話の輪に入ってんの!?」
サラ 「父さんの話をしてるなら、母さんも入らないわけにいかないでしょう?」
フィル 「ティムLOVEキタ――(゚∀゚)――!!」
ジミー 「彼は愛する妻子と居たときが一番幸せだったんだろうな。『Aster savatieri』とか遺作の『FOUR SEASONS』とかの人気バラードは確か、スティーブンが生まれたあとにできた曲だし」
スティーブン 「俺、父さんがバラード曲を作る原動力の一部だったんだ…」
(スティーブンが母のほうを見ると、母もほほ笑みを返しました)
作品名:39th Birthday 作家名:藍城 舞美