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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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39th Birthday

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 (10月1日、LOVE BRAVEはもはや自分たちの「本拠地」と化したシュルツ邸に集合しました。白くてきれいなクロスが敷かれたテーブルの中央に、何本かのスズランを挿したスカイブルーのガラスの花瓶が置かれ、4枚の皿の上には3枚ずつのパンケーキが盛り付けられています)

フィル 「ティム、39歳の誕生日おめでとう。乾杯!」

3人 「乾杯!」

(全員がジンジャーエールの入ったワイングラスを互いに鳴らしたあと、それらを掲げて天井に目を向け、飲み物を口にしました)

フィル 「いやあ、地上にティムが居たからLOVE BRAVEがあるね」

ヒューゴ 「ティムが居たから音楽できてるぜ」

ジミー 「ティムが居たから今があるよな」

スティーブン 「父さんが居たから俺が居ます」

(4人それぞれが、パンケーキを一口大に切って頬張りました)


フィル 「ティムが地上に生まれたのは僕たちにとって、いや、関係者全員にとって大きな恵みだよね」

ヒューゴ 「あいつ、こんなアホみたいな俺たちをしっかりまとめてくれてたし、いつも輝いてたな」

ジミー 「それな。特にライブで『JUNK HEAP』を弾いてるときのティムは、ある意味でフィル以上に目立ってた」

(ヒューゴとジミー、同じタイミングでパンケーキを切って頬張りました)

スティーブン 「俺も、あの曲は盛り上げナンバーの中で一番好きです♪」

ジミー 「それとさ、自分たちはライブで必ず最低1曲はインディーズ期に作られたナンバーを演奏してるんだ。なぁフィル?」

フィル 「そう、ティムへのリスペクトのためにね」

(フィル、パンケーキを切って頬張りました)


ヒューゴ 「ティムはプライベートの姿も、パブリックのそれとは違う魅力があったよな」

サラ 「そうなのよ!スティーブを抱っこしてるときとか、オムツ替えしてるときとか、私もうメロメロになるくらい優しい顔してたわ!」

スティーブン 「えっ、母さん、いつの間に話の輪に入ってんの!?」

サラ 「父さんの話をしてるなら、母さんも入らないわけにいかないでしょう?」

フィル 「ティムLOVEキタ――(゚∀゚)――!!」

ジミー 「彼は愛する妻子と居たときが一番幸せだったんだろうな。『Aster savatieri』とか遺作の『FOUR SEASONS』とかの人気バラードは確か、スティーブンが生まれたあとにできた曲だし」

スティーブン 「俺、父さんがバラード曲を作る原動力の一部だったんだ…」

(スティーブンが母のほうを見ると、母もほほ笑みを返しました)
作品名:39th Birthday 作家名:藍城 舞美