不老不死ロリの国 第一部分
「ううっ。何かにつつかれているな。これは木の枝か?こういう場合、たいてい、幼女が周りにいて、モンスターに敗れて倒れているお兄ちゃんを目覚めさせるイベントが発生しているハズだ。」
「あっ、やっと起きたようでちゅわ。これがウワサに聞くアレでちゅの?」
「そうだよ。これこそ、あたしのお兄ちゃんだよ。なんでもお兄ちゃんの前に『ロリ王』がつくらしいけど。」
「ロリ王?リヤ王とかいう名前なら聞いたことあるぢゃん?」
木憂華はお兄ちゃんという異物から10メートルの距離をキープしている。実のところ、木憂華はビビりであった。
「それは知らないけど、自分でロリ王お兄ちゃんって名乗ってたよ。だからあたしのロリ王お兄ちゃんだよ。」
「俺の前で何を話してるんだ?お前は、さっきのロリ妹!改めて見ると、やっぱり萌ネ、萌ネ、萌ネ~!」
頬を真っ赤に染めてだらしなく緩ませた昆太。
「なに、この生き物。化け物じゃないんでちゅの?」
吝奈の幼女声に著しく反応した昆太。
「さっきの幼女よりもさらに強力なアニメ声の主はどこだ?」
大きな声を出して、立ち上がり睥睨する昆太。
「そこか!こ、これはお嬢様系幼女か?フィギュアでしか見たことがないぞ。まさか、リアル世界にレアモノ幼女が存在するとは。しかもケモノ耳のお得なオプション付きだ!」
思わず立ち上がった昆太。
「「キャーキャー!!」」
吝奈と木憂華が森を切り裂くような悲鳴を上げた。ちんちくりんな体操服に超鋭角ブルマに、可憐な角膜を突き破られたのだからやむを得まい。
「おや、お嬢様系幼女の後ろにもうひとりいるぞ。」
吝奈の10メートル後ろにいた木憂華も、昆太の幼女ソナーの索敵範囲で捕捉されてしまった。
「今日はハロウィンなのか?これは明らかに吸血鬼幼女コス。その残忍そうで小ぶりな羽根がロリ王心をそそるぞ!萌ネ、萌ネ、萌ネ~!」
「「キャーキャー!!」」
両腕を自分の背中回してひとりハグをしている昆太を見て、吝奈と木憂華は悲鳴のボルテージをさらに上げた。
「怪物でちゅわ!」
「モンスターがこんなところにいるなんて、やっぱりここはDゾーンぢゃん!」
ふたりは箱子の背中で小さな体をさらに縮めてブルブル震えている。
「ワハハハ。そんな所に隠れても無駄だ。ロリ王の餌食になるんだな。ムヒヒヒ。」
「ちょっと、ロリ王お兄ちゃん。まさか、そんなこととか、あんなこととか、こんなこととか、しないよね。ガタガタ。」
すでに箱子も震えている。
「それはどうかな。据え膳食わぬは武士ロード入社希望。こんなチャンスをお楽しみしないでか。たっぷり、タップン、河合楽器してやるぜ。」
「い、いや、いやだよ。大切に千年守ってきたんだよ。」
「や、やめてよ~!抵抗するとイタクするぞ~。おとなしくしろよ。ホラホラ、ホラー。」
「「「キャーキャーキャー!!!」」」
「なんちゃって。そんなことするか!大事なロリ妹たちを傷つけたりするものか。」
「あれ?あたしたちを襲わないの?」
「当たり前だ。ロリ王お兄ちゃんは正義の味方だからな。」
「やっぱりお兄ちゃんなんだ。よかった!」
その言葉に気が緩んだ三人幼女。
「でもこれだけはしたい!ハグ!萌ネ、萌ネ、萌ネ~!」
三人幼女を抱えてひたすら萌えている昆太。
「「「く、苦しい!」」」
ひとしきりハグ・萌えしたあと、昆太は三人幼女を前にして質問した。
「俺は楼李昆太だ。まず君たちの名前を教えてくれ。」
「あたしは山場箱子だよ。」
「ワタクチは大神田吝奈でちゅわ。」
「Qは茎宮木憂華ぢゃん。」
「さっき、箱子は小学千年生と言っていたが、君たちは同級生なのか。」
ようやく落ち着いてきたふたりは頷いた。
「君たちは人間とは少々違うようだが。」
「あたしは、ヤマンバ族だよ。」
「ワタクチは狼族の貴族でちゅわ。」
「Qは誇り高き吸血鬼ぢゃん。」
「なるほどな。それでけもの耳とかは説明がつくな。ここは俺のいた人間界とは違う世界らしい。他にはどんな人がいるんだ?」
「みんな女の子だよ。ここにはお兄ちゃんはいないよ。ましてや、男子という化け物も見たことないよ。吝奈ちゃんもキューリー夫人博士もそれは同じだよね?」
ふたりも神妙に同意した。
「どうやら、いや間違いなく、ここは俺の住んでいた世界とは違う異世界だ。」
「異世界?怪しい言葉をおっしゃってるでちゅわ。これはニオイを確認する必要がありまちゅわ。」
「そう思うぢゃん。ちょっと、血をもらって分析しなければいけないぢゃん。」
吝奈は立っている昆太に体を預けて、体臭を嗅いだ。身長差からお腹の辺りに鼻が当たっている状態である。
「ではソコにお邪魔いたしまちゅわ~!クン、クン、クサイ、超クサイ、すごくクサイでちゅわ~!魚が腐って、ドブにぶち込んで、さらに排泄物を混ぜて、発酵させたものを食べて、ゲロッた吐瀉物を頭からぶっかけられたようなニオイでちゅわ~!バタンキュー。」
この世には存在し得ない超大型で猛烈な臭さで、吝奈は回転しながら卒倒した。可憐な口からは吐瀉物、ではなく、泡が吹いている。金色に輝くロングヘアーが同色のドレスにふわりと乗っている。
「よ~し。プスリ、チュー、とやるぢゃん。」
「痛い!針を刺してから言うセリフじゃないぞ。」
ほっぺたに昆太の血液を差し込んだ木憂華。
「しめしめぢゃん。これをここに刺して、注入っと、ぢゃん。ひっく。う~ん。違和感に染み入るぢゃん。熱い、熱い、熱い、これは半端ないぢゃん。パコの血とは全然違うぢゃん。劇薬にわさびと辛子と緑唐辛子とハバネロを攪拌して、濾過した残留物を感想させて、メスを入れて傷ついた眼球にたっぷり塗布したような痛みぢゃん。ひくひくひく~!」
木憂華は拒絶反応を起こしている模様である。
「すごく酔いが回ってきたぢゃん。アルコール度数100%ぢゃん!」
昆太は未成年なので、当然酒の成分など、あるはずない。しかし、木憂華は大いに酔っ払ってきて、白衣のボタンを全部外してしまった。そのまま横たわって、シナを作り、昆太に手招きしている。のっぺりとした手つきはかなりセクシーである。
「昆太ちゃん、Qが欲しくなったでしょうぢゃん。ちょっとだけぢゃん。あんたも好きぢゃん。・・・。足りないなら、もうちょっと、ドバーっと、ドーバー海峡っといってもいいぢゃん。」
深紅のツインテールを揺らす木憂華の白衣の下からは、黒い下着が見えてきた。小学生と言っても小学千年生らしさの表れか?
「スゴイ!これがロリの潜在的の発現か!ロリお嬢様の泡吹き気絶シーンなんて、めったに拝めないし、ロリ変態博士のちょとだけよ攻撃は、ロリ王には保存用アイテムだ!ボクは、ボクは幸せ者だ~!バタン。」
赤ブルマ姿の変態ロリ王昆太は、前のめりに倒れて悶絶死した。
昆太と入れ代わりに吝奈が立ち上がると、いきなり口の中に手を入れて、牙を引きちぎった。
「吝奈ちゃん!歯を抜いて、いったい何をするんだよ。」
心配そうに吝奈に声をかける箱子。
「痛いでちゅわ。でもなんだか、こうしないと気がすまないって、いうか、こうすべきだと体が要求してくるのでちゅわ。ほらほら立ってきましたわ!」
作品名:不老不死ロリの国 第一部分 作家名:木mori