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ワタリドリ
ワタリドリ
novelistID. 54908
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それでも太陽は赤く染まる!第23回「アクアリウムの世界!」

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結局、20分近く粘ってもひとしが御指名したカエルはつかまらなくて、だいたいの大きさのカエルを三匹、(一匹小さめのをサービスしてくれた!)ビニールに入れてもらって会計を済ませた。たまたま店内にひとししかお客がいなかったのが幸いで店員さんにさほど罪悪感を感じなくてすんでひとしの多少なりとの、良心もほっとしていた。

ひとしもこれと言ったら聞かない頑固なところがあるから、でもやはり、親身になってくれた人の良い店員さんに、自分のわがままで困らせて申し訳なかったと胸が痛んだ・・・。

レジでカエルの入った袋を受け取ると柱の壁に特定外来種、飼育禁止と書かれたポスターが目に入って、その中にひとしが以前店に来た時いた、青色のザリガニも書かれていた。(レッドクロウブルーロブスター)、オスのハサミの両手の端に赤色の模様のある大型のザリガニだ。

ひとし
「(結構前に小さなやつを飼っていた事があったけど飼えなくなっちゃったのかな。ブラックバスにブルーギルまで・・・。お父さんとよく河原で捕まえてたっけブルーギルって熱帯魚みたいでおしゃれな感じがするんだよね。1,000万以下の罰金ってどんなんなの!どんなけの罪なんだよ!絶対払える人いないし!\(◎o◎)/!)」

店員さんに何気に話しついでに聞いてみると、

店員さん
「だいぶ規制が厳しくなってきたからね、海外の熱帯魚とか動物とか、何気に案外きついの多いっすからね、これからもじょじょに飼えなくなるものがどんどん増えてくかもしれないっすね!(^ω^)」
とレジ前で煙草に火をつけながら苦笑いで優しく話してくれた。

ひとし
「(ああ、歯医者の神山とは大違いだな、やっぱりお客相手の店員さんはこうじゃないと!)」
ひとしは少し安心してそう心で精神のバランスをとりながらも、今までかかわってきた人たちの後遺症のせいかまだなかなか素直には心を開けない自分がいた。

が、その時ひとしは、神山の歯医者でとんでもないハプニングに気づいた・・・。

習字の手提げカバンの中やズボンの前ポケットを何かしら交互に探り始め、店員さんが気にかけるようにタバコをふかしながら・・・。

店員さん
「どうかしやしたか~。( ̄д ̄)」

なんだかあせりを隠せないひとし・・・

ひとし
「だ、だいじょうぶです。こっちの事で、ちょっといろいろありまして・・・。Σ(゚Д゚)」

言葉がごっちゃになりながら、レジ前の時計がもう4時半を回っているのにきづくと、ありがとうございましたと店員の口よりも先にお礼を言って店を速足で出て行こうとする。背後から店員さんが「あざ―した!」とヤンキーっぽい声が返ってきた。

再度振り返って動揺するように、会釈をして出てくる時、レジのテーブルの端にいくつかのコップに入った、赤や青の花びらのような魚が目に入った。ベタという闘魚で、オス同士で死ぬまで戦うと言うやつだ。

「そういえば家で前飼っていたエンゼルとかもお互いつつきまわしたりしてなわばり争いのような行動が激しかったな~!」と思考がバタバタしながらもひそかに思い出した。

ひとしは何か考えてなきゃどうにかなっちゃいそうな真っ青な顔をして急速に思考を回しながら頭の中で気をまぎらそうどうでも良い事を考えてズボン全体のポケットにかわりばんこに手を入れて・・・。

ひとし
「(な、なんか、魚の世界って人間みたいにすさまじい感じがするな~!弱肉強食の社会、嫌だよな~それ~!(>_<)確か一年の頃、理科の山岡にテストで間違えてそう書いてぺけ打たれたっけ、答えは食物連鎖とか、どっちも答えなんか大差ないじゃんか!あんな先生が今年の担任なんてほんとどうなっちゃうんだろ!(+_+))」

熱帯魚と理科と新任とパニックがいつのまにか頭でごっちゃになって、わけわからなくなりながらひとしはすっかり日が落ち始めてひんやりとした空気が流れる外で歩道の端に止めてある自転車まで小走りで走ってきてカバンと買ったカエルの袋を前かごに放り込むと、ようやく思考が停止したように下を向いて・・・。

ひとし
「(保険証がないや!どこにもΣ(゚д゚lll)ガーン)」

さっきまでうなぎのぼりだった気分がひとしは急速に冷めていくのがわかった。