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舞いたけたけ
舞いたけたけ
novelistID. 49775
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ガチクズニートで異(ブラック)世界転生

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「まてよ。まだ聞いてないこと腐る程あるぞ。」

「無理無理。だって超薄いもん。禿散らかってる頭並みの薄さ誇ってるわ。これ。あっ。消える消える!禿げるぅ~」

ケイヤの周りを渦巻いている黒い霧が徐々に禿散らかる。

「おい!待て!勝手に禿げてんじゃねぇ!」

ケイヤの周りをモヤっていた黒い霧が完全に薄れ、まるで禿散らかった頭皮のような空間がポッカリと穴が開いたかのように広がっていった。

くっそ疲れた。てか俺、25000円で買った細胞学の本読みたいんだけど。てか民法の判例集読むの止まってるし、kalilinux使ったりとかプログラミングの開発も止まってるし、熱力学の本も途中だし、codめっちゃ面白い。

第25話 たわけの様に云いなし、口のさきの上手にて物をすまし、少しも骨骨とあることはよけて通り候。若き衆心得有りたき事なり。

空間とそこに取り残された自分とが、何か重みのある刃のようなもので殺がれ落とされるような感覚を覚え、それと同時に元の体に自らの意識が戻っていっているのがケイヤにはハッキリと分かった。

鉛のように思い瞼を目の上に全ての神経と今ある全ての膂力を振り絞ってほんの少しだけ開く。すると途端、鋭い日の光がケイヤの目の中を隅々まで突き刺した。

段々と意識が戻ってきたと同時に、自分の内臓の中に砂利のようなものがズリズリと流れている感覚を覚え始めた。

あぁ、そういや俺、砂利に飲まれたんだっけ…

黒く染まった内臓のようなもの、そして引き裂かれた手や足がハッキリ見えた瞬間、ケイヤは自分がバラバラになったことを知った。

だが現実はもっと粉々に砕け、血は既に辺りの大地の上に溶けきり、若しくは渇ききっていた。

それでもケイヤにはハッキリと自分の体があるということが分かっていた。

もう一つ気づいたことがあった。人間には両目が付いている。つまり片目づつで見えている景色が違っていた。少し離れたところに自分の左目が。そして少し離れたところに自分の右目があった。

Mrポテトヘッド(笑)

最早、痛みなど微塵も感じなかった。ただ少しだけ眠ろう。どうせ回復しているのだから。

まだ微かに立ち迷っているかのような、風前の灯火のようなそんな意識を消し、ケイヤは目を閉じた。

久しぶりに見た景色は夜の静けさに聳え立つ廃墟の奥よりも深く暗く、冷え切っており、濡れた紙くずよりも脆いものに見えた。

何だ濡れた紙くずって。

はぁーあ世の中ほろばねぇかなぁ。あーあ。仕事終わって勉強して寝るだけの生活に何の楽しさを覚えろっていうんだ。良いよなぁ。頭良いだとか顔がいいだとだとか金があるだとかさ。無駄な禁欲を押し付けられることも無いし。

俺なんて手取りなんて10万ちょいくらいだし、さらにここからガス代だとか抜いたら贅沢できねぇし。ボーナスねぇし。

はぁーあ。このままこんな生活のまま死んでくのかぁ。自業自得ですね。

大難大変に逢うても動転せぬといふは、まだしきなり。大変に逢うては歓喜踊躍して勇み進むべきなり。一閃超えたる所なり。「水増されば船高し。」といふが如し。