官能小説「美那子」 秘密 一話
人目をはばからずに手を繋いで歩く秀一郎と美那子は、顔が似ていないこともあってすれ違う誰からも恋人同士に間違われてニヤニヤされる。
「兄妹なんです」そう話すと、必ず「えっ!」と驚かれる。
それほどいわばお似合いのカップルに見えるからだ。
秀一郎はなぜ自分がこれほど実の妹を好きになっているのか不思議に思ったことがある。美那子は物心ついたときにすでに兄を男性として気にするようになっていた。
テレビの番組で男女のことが話題になっていた時に、遺伝子が遠いほど男女は好きになる可能性が高いと秀一郎は教えられた。
逆を言うと遺伝子が近いほど恋愛には発展しないという事なのだ。
兄妹や親子、いとこ同士などでは性的関係にならないように神は遺伝子にある種の情報を忍び込ませて、血が濃い間柄では性欲が起こらないように仕組んだ。
人間が他の動物と大きく異なる点だ。
美那子の担任であるイケメンと噂の橋本教諭が家庭訪問に来るこの日、母親の美樹は朝からソワソワしていた。
玄関のチャイムが鳴ってその男性は笑顔で挨拶をして、玄関先で話しを始めた。
「お母さん、担任の橋本です。今日は美那子さんの事で少しお話が伺いたいとやってまいりました。よろしくお願いします」
「先生、母親の美樹です。こちらこそいつもお世話になっております」
正直に言って美樹の好みのタイプだった。少し話をしている間に兄との関係が学校で噂になっていると聞かされて、驚かされた。
「ええ?秀一郎と美那子がどんな関係だとうわさされているのですか?」
「学校で何人かの生徒たちが、二人が手を繋いで歩いていたと言い触らしているんです。美那子ちゃんもそのことは知っていて初めは笑っていただけなんですが、うわさがあらぬ方向へ向かいつつあるので、そういうことを言う生徒に注意しました。家庭では何か変わった様子はありませんか?」
「美那子と秀一郎が手を繋いで歩いていたというだけで何が噂になるのでしょう?仲の良い兄妹だから自然だと私には思えますけど」
「キスをしていたというんです・・・信じられないことですが」
「ええ?キスをしていた?そんなバカな、兄妹ですよ!」
「兄妹なんです」そう話すと、必ず「えっ!」と驚かれる。
それほどいわばお似合いのカップルに見えるからだ。
秀一郎はなぜ自分がこれほど実の妹を好きになっているのか不思議に思ったことがある。美那子は物心ついたときにすでに兄を男性として気にするようになっていた。
テレビの番組で男女のことが話題になっていた時に、遺伝子が遠いほど男女は好きになる可能性が高いと秀一郎は教えられた。
逆を言うと遺伝子が近いほど恋愛には発展しないという事なのだ。
兄妹や親子、いとこ同士などでは性的関係にならないように神は遺伝子にある種の情報を忍び込ませて、血が濃い間柄では性欲が起こらないように仕組んだ。
人間が他の動物と大きく異なる点だ。
美那子の担任であるイケメンと噂の橋本教諭が家庭訪問に来るこの日、母親の美樹は朝からソワソワしていた。
玄関のチャイムが鳴ってその男性は笑顔で挨拶をして、玄関先で話しを始めた。
「お母さん、担任の橋本です。今日は美那子さんの事で少しお話が伺いたいとやってまいりました。よろしくお願いします」
「先生、母親の美樹です。こちらこそいつもお世話になっております」
正直に言って美樹の好みのタイプだった。少し話をしている間に兄との関係が学校で噂になっていると聞かされて、驚かされた。
「ええ?秀一郎と美那子がどんな関係だとうわさされているのですか?」
「学校で何人かの生徒たちが、二人が手を繋いで歩いていたと言い触らしているんです。美那子ちゃんもそのことは知っていて初めは笑っていただけなんですが、うわさがあらぬ方向へ向かいつつあるので、そういうことを言う生徒に注意しました。家庭では何か変わった様子はありませんか?」
「美那子と秀一郎が手を繋いで歩いていたというだけで何が噂になるのでしょう?仲の良い兄妹だから自然だと私には思えますけど」
「キスをしていたというんです・・・信じられないことですが」
「ええ?キスをしていた?そんなバカな、兄妹ですよ!」
作品名:官能小説「美那子」 秘密 一話 作家名:てっしゅう