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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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隠子の婚約+美人の退職+愛娘の受験+仕事の責任=幸せの1/2

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「実は小原も、その先生と何かあったでしょ」
「やだ。そんなことあるわけないじゃないですか」
目を大きく見開いて、笑顔で答える小原は、
「木田さんこそ、その先生とはどういう関係だったんですか」
と、少々強引に矛先を変えて来た。
「俺は物凄く感謝してるんだ。それに物凄く好きな人だったから」
「女性としてですか?」
「うん。先生として見てなかった」
「どうしてそうなったんですか?」
「ひとみ先生って言うんだけど、初めて教室で会った時から、可愛いって思ってて、そのうちに好きになって・・・」
「特別な思い出とかもあるんですか?」
「うん。でも俺のそんなこと聞いて面白い?」
博之はこの思い出を小原に話していいものか、少し迷った。
「すっご興味あります。なぜ、愛音さんのこと真剣になれるのか、知りたいです」
「うん。ひとみ先生にもね。昼休みに、ピアノを教えてもらってたんだ」
「先生と愛音さん、親子2代でピアノ教わってたんですか」
「ふふ、先生に気に入られたくて、必死だったんだろうな。でも、とても俺に親切にしてくれる人だったから、それが先生としてじゃなく、女を感じさせる何かがあったんだと思うよ」
「初恋みたいな感じですか?」
当時の記憶をたどり、博之は目を細めて思いを巡らせた。
「そうだね。他にも好きな女子はいたけど、その時期は先生を独占したかった」
「でも、それだけじゃ恩師中の恩師にはなりませんよ。何があったんですか?」
「ああ? 俺を、罠にはめようとしてる?」
「ふふふ、やっぱり愛音さんじゃなくって、先生の方と何かあったんですね!」
「いやいや、そんなことはないさ。大切な思い出なだけだから」
「どういうことがですか?」
もう話を打ち切るには遅すぎた。面と向かって、前のめりに聞いてくる小原に、博之はまんまと乗せられてしまったのだ。
「いやー。実はね、ピアノを教えてもらってた時に、音楽室で怪しいことしてるって、噂になっちゃってね。もちろん、そんなこと全然してなかったよ。なのに、俺のこと着け回してた同じクラブの女子が、ひとみ先生に文句を言うような事件があって・・・」
「はー。その頃の女子は見境なくなりますからねぇ」
「でも先生、そんなことに怯まず、逆に女心に火が付いたみたいで、バスケ部の練習中に、俺の応援までしに来るようになったんだ」
「ひとみ先生やりますね」
「だろ。俺も勘違いしてしまうわな」
「で、単に仲がいい先生でした。って話じゃないですよね」
(コイツひょっとして、ひとみ先生との肉体関係とかまで、かなり深く想像してしまってるな。何とか食い止めておかないとマズイ)
「この話の流れでしたら、キスぐらいはしてそうですよね(笑笑笑)」
「中学生だよ。そんなことするわけないよ」
「木田さんがそうでも、ひとみ先生の方が、もう、突っ走っちゃってるじゃないですか」
「そうか。お前、頭いいな。いつも本質的なとこ突いて来るよな」