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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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隠子の婚約+美人の退職+愛娘の受験+仕事の責任=幸せの1/2

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「ああ、でもダメだぁ。私はそれ失格だった」
椅子の背もたれに大きくもたれかかる小原。
「よく意識してやってくれてるよ」
「そんなことに気付いたのが、つい最近。木田さんの思いを受け取ろうともしてなかった」
「そりゃ、下から上司の思いを汲み取ろうってヤツなんか、いるわけないよ」
「でも私が上司としての振る舞いも、全然してこなかったから、あいつらに舐められるんです」
「俺もおんなじ。みんなと仲良くやっていきたいと思うけど、きつく言うと反発を買うし」
「そうですね。つらい立場ですね」
「お前もな。退職前に、こんな役回りさせてごめんな。地を出させたりして」
「いいえ、外の世界では、またいい女を演じますから大丈夫です! 私、本気出したら、男の人に目からキラキラビーム出せますから」
「メンタル強いな」

「来週の忘年会なんですけど。あの子らに言ってほしいことがあるんです」
「何?」
「私が退職した後、『木田さんの力になってくれ』って、言ってほしいんです」
「どうしてそんなことを?」
「夏ごろ、木田さんからそう言われて、やっと本気になれたんです。私が木田さんから頼られてると思うと、うかうかしてられないって」
「ああ、『牡蠣小屋』ででしょ。あの頃はまだ小原の退職まで時間があったから、気分的には余裕だったけど、今そんなこと言うと悲壮感あるよな」
「そうですね。逆にあの子らに断られたりして(笑)」
「有り得るぞ。それ。(笑)なんか『逃げ道与えないぞ!』みたいな感じもするし。聞いたら終わりみたいな」
「一か八かですね」
「先行き不安なこと多すぎる」
「先行き不安と言えば、愛音さんの結婚は、どうなったんですか?」
「ああ。まだあれから何も言って来ないし。よく分からないけど、婚約解消ってことはないと思う」
「絶対、止めるべきだと思いますけど、家族でもないのにそんなこと言えないですもんね」
(うっ。辛い。親子なんだけど)中途半端な自分にイラつく博之である。
「そうだね。本心では別れた方がいいんじゃないかと思うんだけど、彼女の気持ちを考えたら、そう簡単には言えないでしょ。やっぱり」
「どうして愛音さんと、そんなに親密になったんですか? 歳も離れてるのに、なんか怪しいと思っちゃうんですけど」