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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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隠子の婚約+美人の退職+愛娘の受験+仕事の責任=幸せの1/2

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「ありがちですね」
少し身を縮めて答える小原。
「その時にふと振り向くと彼氏がいて、『こいつもう邪魔だな』って考えるわけじゃないか」
大げさに身振りを交えて話す博之に、小原が苦笑いを始めた。
「その二人との交際が重なってる間が、多少長くなったりするだけでも二股だよね。そういうことは誰もが経験しうるはずなのに、それは秘密にしてるだろ」
「えへへ。正直なところその通りです」
博之は笑いながら頷いた。
「な。でも世の中の男女は、完全にそういうことは隠して、表面上は清廉潔白で接してる。それは夫婦になっても同じだよ」
「過去は、知られてない前提ですからね。でも新しいもの求めちゃいますよね」
「俺もそんなことばっかりだったよ。だから常に、女性に奢るとか、プレゼントを贈るとか、ほんのささやかなお土産とかでも、その裏には物凄い下心があるって、当たり前だと思うんだよ」
「普段、そこまで意識して受け取ってないですけど」
「でも、そんなことを意識して欲しいと願う男もいるってことだよ」
「私に言ってます?」
「え? 違う違う、口説いてるんじゃないよ。危ない危ない」
「なんか、そうなのかと不審に思いました」
「ごめんごめん。一般論だよ。刺激を求めるって話。愛音のことを考えながら話してたんだ。あいつら結婚しようってのに、男の方がそういうことに無頓着で、二人に刺激がなくなってしまってるんだと思うんだ」
「愛音さんも奥手なんだったら、あんまりそういう恋愛経験少ないのかも」
「あいつ子供の時から、ピアノしか知らないみたいだから」
「きっぱりと割り切れなくって、ズルズルしちゃうんですね。よし! 別れさせましょう!」
「そう簡単に言うな」
「木田さん。本当は別れて欲しいんですね」
(え? 俺はそんなこと願ってるのかも)突然それに気付いた博之は、一瞬止まってしまった。
「やっぱり、愛音さんのこと好きなんですか?」