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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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隠子の婚約+美人の退職+愛娘の受験+仕事の責任=幸せの1/2

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 商談室に入るとすぐエアコンを点けたが、イスの座面は冷たく、暫くは震えないといけなかった。
「離婚なんて、どういうことだったの?」
「離婚はしないですよ。絶対」
「そう言われたんでしょ?」
「どうせ本気じゃないですって。泣きながら言うところも、あざといですよ」
「別れたくないのに、わざと大げさに反省してるふりをしたってことか」
「そうです。見え見えです。しかも浮気しといて離婚してほしいって、決定権はこっちにあるってのに」
「風俗に行ったんだよね? なんでそんなことを打ち明けたのかな?」
「悩んでる様子でしたけど」
「でも、浮気の告白ってダメだろ・・・俺がそんなこと言える立場じゃないけど」
「私の実家のこともあるし、今更別れないって思ってるからでしょうね」
「そりゃ別れないだろ? 旦那さんは、これからどうする気だったの?」
「はあ、私はまだ現実味がなくって、何も考えられない状態です」
「怒ったりしなかったの?」
「はい。あまりに突然のことで、夜中に起こされて、泣き叫ぶんですもん」
「・・・うーん。でもなんで風俗行ったこと打ち明けたんだろ。それだけは口が裂けても言っちゃいけないと思うんだけど」
「彼なりに悩んだんでしょうけどね。・・・呆れますね」
「いやホントに。もう結婚生活も元のままじゃなくなるでしょ?」
「そうですよね。知りたくなかった。浮気されるのはイヤですけど、昨日までは何も知らないでいたのに、そんなこと知りたくなかったのに」
「泣いた?」
「それが、なんにも涙出なかったんです。離婚ていうのも、選択肢に上がってしまう様なことになって、私自身が受け止められてないんです」
「本当に離婚、考えてないよね。前にも『離婚』てワードが、頭を過ぎったとか言ってたけど」
「考えてないです。たかが風俗じゃないですか。素人に手を出されるより、マシですから」
「ホントに病気が移ったの?」
「まだ判らないんです。まだ病院には行ってないんで。でもネット情報じゃ、絶対性病っぽい症状で」
「風俗に行っちゃたのいつよ?」
博之は困った表情で、顔を擦りながら聞いた。