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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「美那子」 始まり 三話

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美那子はやはり兄には相談しないでおこうと決めた。
嫌われたくないという思いからではない。
女子の気持ちは女子にしか分からないと思えるからだ。

ならば母親でもいいのかも知れない。
これまで母親と恋愛について話したことはない。友達と言えども異性の相手だから、親は会っていることを心配するだろう。
それとなく美那子はこの日、晩ごはんの後で話を切り出した。

「お母さん、あのね、お兄ちゃんのお友達で加瀬さんという人がいるんだけど、友だちになって欲しいと言われたの。高校二年だから私なんか恋人にって言うわけじゃないと思えるので考えているの。お兄ちゃんには話してないから内緒にしてね」

「ええ~どういうこと?お付き合いしたいっていうことなの?」

「違うよ。お友達になって欲しいと言われたから、どうしようかって相談なの」

「お友達か、お母さんは加瀬さんとは年齢差があるからお友達と言うのは難しいかと考えるわ」

「静子もそう言っていた」

「美那子の気持ちが一番だけど、好きで仕方ないのなら制限つけて交際すればいいと思うけど」

「そんなんじゃないけど、私も子供じゃないから何もわからないって言わない。お母さんは私ぐらいの時にはどうしてたの?彼はいなかった?」

「彼か・・・いなかったわね。勉強ばかりしていたわけじゃないけど、それほど関心が無かったというところかな」

「そうなの。だよね~まだ13歳だもん」

「美那子はその加瀬さんの事どう思っているの?正直なところ教えて」

「お友達だよ。それ以上には意識できない」

「ならいいんじゃないの。外で二人きりになるときは、必要以上に接近しないことね」

「接近?手をつなぐのもダメなの」

「そんなこと考えているのね。何だか危なっかしい感じがする。お父さんには言わないけど、加瀬さんが手を握って来ても友達だからって言えるようにしないとお母さんは心配だわ」

「うん、大丈夫。お母さんに話して良かった」