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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「美那子」 始まり 二話

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「美那子!どこへ行ってきたの?」

「うん、ちょっとね」

「ちょっとって変よ。買い物?」

「違う」

「じゃあ、まさかデート?」

「デートじゃない。友達だから」

「友だち?誰?」

「お兄ちゃんの友だち」

「それって友達って言わないよ。お兄ちゃんって高校二年生でしょ?男の人はそのぐらいになると身体目的で言い寄って来るって聞いたわ。危ないよ、美那子」

「身体目的?私の?」

「まだ子供だから大丈夫って思っているんじゃないわよね、まさか?」

「子供じゃないもん!」

「そういう意味じゃないよ。精神的にっていう事」

「精神的って、どうなれば大人なの?」

「心からその人を好きになれるかどうかって言うこと。遊びで失うのは悲しいよ」

「失うって・・・そこまで考えていないから」

「キスしたらもう最後までいくよ。恋愛ってそうなるもの」

「静子はしたの?」

「聞きたい?」

「別に言いたくなければいいけど、私は最後まではイヤ」

「途中でやめられないよ男の子は」

「そうなの?」

「バカね、そんなことも知らずに付き合おうって言うの?泣きを見ても知らないから」

「酷いのね、そんな薄情な言い方して。ねえ?お兄ちゃんの友達だから話した方がいいと思う?」

「付き合っていますって?それとも、付き合っていいですかって言うの?」

「智之さんに付き合って欲しいと言われた、って正直に」

「智之さんていうの。ねえねえ、カッコいい人?」

「お兄ちゃんほどじゃないけど、まあまあって感じ」

「確かにあんたのお兄ちゃんはカッコいいわ~わたしが付き合いたいぐらい。って、まさかじゃないわよね?」

「なにが?」

「兄妹はダメよ」

「バカなこと言わないでよ、もう。私の事は一番わかってくれているって感じるから、相談してもいいかなって思っただけ」

「そうね、身内だから親身になるとは思うけど、普通は相談する相手ではないよね。とりあえず美那子は手をつなぐ以上は断ることよ。それと強引にされるといけないから絶対に二人きりにならないこと。これは守らないと後悔するわよ」

美那子は静子がすでに経験していることが羨ましいとちょっと思った。
そして、そんなことを思う自分はこの年齢にしてすでに淫乱なんじゃないかとも恥ずかしく感じられた。