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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「熟女アンドロイドの恋」 第三十五話

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85年に核弾頭がイスラエルにアメリカから供与された情報を東京にあるイスラエル大使館に勤務していた反ユダヤ社会のスパイに察知され、まったく核兵器の製造をしていなかったイスラム国家が急いで秘密裡に動き出す結果となっていた。

冷戦時代が終わって世界は戦争の脅威からテロの脅威へとシフトした。
IAEAの査察を受け入れていたアラブ諸国はイスラエルが核兵器を所有したと公表してから、いくつかの国で査察を拒否する行動に出た。
国連からの要請にイスラエルの核脅威を訴えて自国の核実験と核兵器保有を主張するアラブ諸国に対してアメリカは単独でも軍事行動を辞さないと警告を与えた。

2001年にアメリカ同時多発テロで多大な犠牲を払ったことで、アラブ諸国に緊張が走った。イラクの関与が取りざたされたが、アメリカはその時点では否定的だった。
しかし、2003年サダムフセインが大量破壊兵器を製造しているとの疑念から、査察を行なってから判断すべきとの声を押し切ってアメリカは先制攻撃を実行した。

この攻撃であっという間にイラクは崩壊し、行き場を失った兵士たちがテロリストとして駐留している国連軍との衝突を繰り返していた。
イスラエルはこのアメリカ軍の攻撃の後、自国領土内のアラブ人居住区にあからさまな侵略行為を行い、武力衝突を繰り返すようになった。
幾度となく行われた国連の停戦命令も守られずに時代は一触即発の危機を迎えるようになっていた。

石油の輸出と引き換えに核兵器開発を終えていた北朝鮮国は国内の経済を立て直すために核弾頭部分をイスラエルの隣国であるアラブ諸国へ輸出した。
そしてアメリカからの監視を潜り抜けて数年後に数発の核ミサイルをそれぞれの国家は実戦配備した。

アメリカが支援するイスラエルは、もはや同等の武力を持つ周辺諸国に強硬な姿勢を見せることが出来なくなっていた。
小さな衝突でも核兵器が飛んでくる恐怖感から、あってはいけない核兵器の先制攻撃が行われた。
エイブラハムはこのとき外交官への道半ばであった。

あまりにも悲惨な状況から一時はアメリカへの亡命も視野に入れていたが、両親や信頼が厚かった上官からの説得で新しい国づくりに責務を果たそうと決心した。
日本への赴任は彼を成長させた。
時折しも内藤の研究を神戸の大使館から情報を得て、自国に新しい産業として期待できると母国に打診をして経済的援助を申し出た。