出来れば今日!
「はい、コレが約束の お・か・ね」
紀湖は、自分の横に置いていたバッグから、封筒を取り出しました。
中に1万円札が7枚入っているのを見せてから、私に差し出します。
「た、確かに…」
受け取った封筒を、私は愛紀に手渡しました。
「じゃあ、借りていたお金」
「ん」
手渡された封筒を、愛紀が紀湖に差し出します。
「立て替えで、湖愛に払ってくれた7万円」
「はーい」
結局お金は…3人の間を一巡して、紀湖の元に戻りました。
「─ ねえ。愛紀」
「何? 湖愛」
「なんであの7万円は…紀湖の手元に戻っちゃうの?!」
「よく解んない。。。」
先程のバッグに、いそいそと封筒を仕舞い込む紀湖。
「ほら、お金は 天下の回りものだって言じゃない?」
ジト目の私と愛紀を気にする素振りも見せず、弾む声で呟きました。
「─ だから、気・に・し・な・い♡」