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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「熟女アンドロイドの恋」 第三十話

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「総理!由々しき事実を私は入手しました。お手元に配布した書面の内容に誤りがないかご確認なさってください」

会場がざわつく。
傍聴人席は満席だった。
総理は渡された事実関係確認書なるメモを読み前に進み出た。

「この新聞等で報道されている85年航空機墜落事故の原因が整備不良であること以外に指摘されているような在日米軍の訓練用ミサイル誤射による垂直尾翼破損から引き起こされたという記載は・・・事実を確認したところ、自衛隊との合同訓練中に、F-14戦闘機が誤作動により発射した訓練用ミサイルがたまたま近くを飛行中だった民間機の垂直尾翼に接触して何らかの飛行障害を引き起こしたと思われる、との報告を確認いたしました」

ヤジが議事堂の中に飛び交う。
「責任とれ!」「なぜ黙っていた!」「内閣総辞職しろ!」「被害者遺族に謝罪しろ!」などなど、激しく総理に浴びせられていた。

「総理!何を言い訳がましく答弁されているのですか?ハッキリと仰ればよいと思いますよ。自衛隊が民間機を撃ったと。これって誤射とか、誤作動とか言われるけど、民間機が近くを飛行している事実を知りながら、発射訓練をしていることが大問題ですぞ!幕僚長は責任をどう考えているのか仰ってください」

議長が幕僚長を名指しする。

「今総理が発言されたように事は自衛隊員の重大なミスです。そしてそれを報告しなかったことはさらに重大なミスだと痛感しております。今回の事実が自衛隊の信頼を失わせる結果となることはわたくしの責任ですので、進退を考えたいと思っております」

「幕僚長!あなたが辞めて済む問題ではないですぞ。すべての真実をハッキリとさせて、誰が最高責任を負わなければならないのか解り切ったことだと申し上げたい」

内閣総理大臣がさらに返答する。

「この問題に関しましては55年もの過去の出来事でありまして、当事者が答弁できないような状況の中、政権与党の代表者としてわたくしからは深くご遺族の方々、当該航空機の関係者のみなさま、および国民の皆様にお詫びを申し上げる所存でございます。誠に申し訳ありませんでした」

そう発言して、総理以下外務大臣、官房長官、幕僚長並びに与党の出席大臣が起立して深く頭を下げた。
次に質問に立った野党の代表は新たに証人として内藤肇及び妻の内藤潤子、旧姓枇々木潤子から事の真実を聞きたいと申し出た。
東京地裁への控訴中の案件にかかわる証人であることを理由にその要求を退けた。
場内で再びヤジと怒号が飛び交う。