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てっしゅう
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「熟女アンドロイドの恋」 第三十話

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裁判は当然これまでとは違って開始されるだろう。
国会質問での受け答えも真実を語るという視点から重大な証言となる。
裁判所は緊急に会議を開いて今回の遺族会の提訴を証拠不十分で棄却しないことを決定した。

都内にあるホテルの一室で非公式に駐日アメリカ大使と在米軍指揮官及び自衛隊の幕僚長らが集まって外務大臣、内閣総理大臣との会合が持たれていた。
マスコミに知られないようにばらばらに現地へ集合した。

問題の本質が全て露見することは避けなければならないとの思いが日米間で確認された。その上でアメリカ軍の司令官から大統領からのメッセージという形で外務省へ核兵器の保管に関する事実はないという事を踏まえての国会質問でどう返答するかの下地作りをしようという事であった。

この夜の集まりの段階では平山が核弾頭を保管してあった倉庫跡を発見し、当時何かを運び入れていた事実を内藤が知っていると聞かされてはいなかった。
ここが致命傷となる。

総理大臣が重い口を開く。それは結論と言うべきものであることの確認でもあった。

「国会で野党が追及してくることは、まず墜落事故の原因が整備不良からの圧力隔壁の破損であるという結果から、整備不良ではなく垂直尾翼破損という外的要因があったという指摘だな。
訓練用ミサイルが尾翼に命中したという事は我々も認めないとマズいだろう。そこでだ、あくまでこれは自衛隊機の発射装置にトラブルが生じて意図しない方向へ発射されてしまったという立場を貫こう。発表しなかったことは事故から相当な時間を経て知らされたので、時の政権が黙秘したと謝罪しよう。どうかな?」

「総理、当時の大臣はもう居られませんからそれが良いと思います。証人として呼ばれることもないですから、こちらとしては知り得ないけど政府としてまったくの責任が無いとは言えないので謝罪したいという事でよろしいのではないでしょうか」

外務大臣のこの発言にみんなが頷く。
アメリカ大使は核弾頭の件は一切なかったということを何度も確認させた。
質問に答える内容を再度確認して会合は終えた。
翌週の月曜日に国会が始まった。

衆議院の予算員会での質疑が始まった。
まず一声は最大野党の党首が紅潮した顔で総理大臣へ問いただした。