案内して
「…いつから、気が付いてたの?」
私から取り返した眼鏡を、哲弥は掛け直す。
「こまや が転校してきた初日から」
「な、何でぇ!?」
「名前も変えず、同じ顔のままで現れて、何で ばれないと思うかな」
「よ、妖力で、気が付かれない筈なのにぃ…」
「─ 効いてなかったみたいだね」
脱力する私の肩を、哲弥は引き寄せた。
「参考に訊きたいんだけど」
「…」
「何で、話したら駄目な訳?」
「き、決まりだから。」
「で…守らないと、どうなるの?」
哲弥の問い掛けに、私は困惑する。
「そ、それはぁ…」
「こまやは…僕を殺したいんだ」
「そ、そんな筈ないでしょ?!」
唇を噛む私に、哲弥が微笑む。
「─ じゃあ、そう言う物騒な決まりは…な・し」
「え…!?」
「ね?」
顔を覗き込まれ、大きく頷く私。
何故なら哲弥の事が、もう取り返しが付かないくらいに 好きになっていたから♡