どういう理屈なの!?
「箱が…2つ?」
部屋に足を踏み入れた如月さんは、テーブルに近づきました。
後に続いた霜月さんが、ドアを閉じます。
「じいちゃんの秘蔵品は、その中」
「ふーん」
「どっちから見る?」
「同じ大きさの箱かぁ…」
右手の人差し指で、自分の鼻の頭を軽く突付く如月さん。
「大小の箱なら、小さい方を選ぶのが正解なんだろうけど」
「─ 舌切雀?」
「それが様式美だし」
霜月さんが、如月さんに体を寄せます。
「でも あれって…大きな葛籠を選んだのがお婆さんだったから、外れだったと思う」
「もしお爺さんが選んでたら、中身はお宝だったって事?」
「そう。」
「…まあ雀の目的は、あくまでもお爺さんへの恩返しだしねぇ」
如月さんの腕に、霜月さんは腕を絡めました。
「つまり、お婆さん小さい葛籠を選んでいても…中は化物」
「理屈では、そうなるよね」
「じゃあ…私にとっての如月は、どちらでしょう?」
予期しない問い掛けに、如月さんが固まります。
正面を向いたままの霜月さんは、目だけで様子を伺いました。
「化物なんか入ってないから、大丈夫。」
「…」
「そんな事したら…私にも被害が及ぶしねぇ」
「ちょっと霜月…」
自分に組まれた腕を、如月さんが邪険に振り解きます。
「─ 私が、意地悪婆さん認定されてる様に、聞こえたんだけど?」
「被害妄想は、いけないねぇ。。。」
部屋に足を踏み入れた如月さんは、テーブルに近づきました。
後に続いた霜月さんが、ドアを閉じます。
「じいちゃんの秘蔵品は、その中」
「ふーん」
「どっちから見る?」
「同じ大きさの箱かぁ…」
右手の人差し指で、自分の鼻の頭を軽く突付く如月さん。
「大小の箱なら、小さい方を選ぶのが正解なんだろうけど」
「─ 舌切雀?」
「それが様式美だし」
霜月さんが、如月さんに体を寄せます。
「でも あれって…大きな葛籠を選んだのがお婆さんだったから、外れだったと思う」
「もしお爺さんが選んでたら、中身はお宝だったって事?」
「そう。」
「…まあ雀の目的は、あくまでもお爺さんへの恩返しだしねぇ」
如月さんの腕に、霜月さんは腕を絡めました。
「つまり、お婆さん小さい葛籠を選んでいても…中は化物」
「理屈では、そうなるよね」
「じゃあ…私にとっての如月は、どちらでしょう?」
予期しない問い掛けに、如月さんが固まります。
正面を向いたままの霜月さんは、目だけで様子を伺いました。
「化物なんか入ってないから、大丈夫。」
「…」
「そんな事したら…私にも被害が及ぶしねぇ」
「ちょっと霜月…」
自分に組まれた腕を、如月さんが邪険に振り解きます。
「─ 私が、意地悪婆さん認定されてる様に、聞こえたんだけど?」
「被害妄想は、いけないねぇ。。。」
作品名:どういう理屈なの!? 作家名:紀之介