小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

如何なる存念

INDEX|6ページ/8ページ|

次のページ前のページ
 


-7日後、早川家の本城 -


「英明殿の御帰国に当っての…我が殿の存念です」

 軍使の孝高は、包状を床に置いた。

 手に取った早川家の重臣が、開いて中身を見る。

「…我が方の、位路砦と羽仁砦と交換?!」

 重臣は、顔色を変えた。

「こ、この条件では…」

「江井砦には、兵糧が一切御座らん様ですぞ?」

「─」

「もう限界だと推察致しますが…」

 懐から取り出した、細長く折りたたまれた紙を開く孝高。

「我が方に、打ち込まれた矢文でしてな」

「こ、これは…」

 そこには、英明の首と引き換えに助命して欲しいと言う内容が書かれていた。

「御決断を急がれた方が、宜しと愚考致す所存」

「…」

「返答は、如何に?」

「しょ、承知仕りました…」

作品名:如何なる存念 作家名:紀之介