大変じゃのぅ。。。
「しかし、日ノ本中の七五三の感謝の言葉や加護の祈りを自らに奉じさせるとは…」
呑んでいた盃を、毘沙門天は止めました。
「─ 流石、八百万の神を一同に集める 大国主大神殿じゃのぅ」
ご相伴預かっていた漆伍参が苦笑します。
「全てを奉じる事は出来ないので…画竜点睛を欠くのですが」
「…そうなのか?」
「教会で行われた分は、ここには參りませんので」
毘沙門天は、漆伍参の顔をまじまじと見ました。
「まさか…七五三を?」
「幼児祝福式と申すそうで」
「日ノ本の神事が、伴天連宗でも行われるのか…」
「子供の成長を感謝し、加護を祈る先が多いと言うのは…良き事なのでしょうが」
「─ まあ、そう言う事に、しておこうかのぅ。。。」