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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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旧説帝都エデン

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 天高く上げたアリスの手から渦巻く紅蓮の炎が天に昇り、天から降り注ぐ炎の塊は辺り一面を一瞬にして火の海に変えてしまった。
 全てが炎に呑まれていく。
 巨大な炎の中から白い影が歩いてくる。それはまさにアリスであった。
 アリスは微笑んでいた。その微笑みは全てを物語っている。
「火遊びって楽しいけど、よい子はしちゃだめ」
 崩れ落ちる屋敷を後にして、アリスは鉄の門を潜り抜けた。

 深夜遅く、帝都某所で大火災が起きた。もともとその場所には突如として建った屋敷があり、帝都政府は住人の立ち退きと屋敷の取り壊しをしようとしていた。その矢先に起きた火事であった。
 火事によって住人の立ち退きと取り壊しの手間は省けたが、それ以上に深刻な問題が起きてしまった。
 何十台もの消防車で行われた消火も虚しく、炎は普通の水では消すことができなかったのだ。その炎が魔導であることがわかり、魔導師が現場に駆けつけた時にはすでに、屋敷だけでなく当たり一帯の建物が全焼するという大惨事になってしまっていた。
 この事件は翌日のニュースでもトップで扱われたが、未だ犯人は見つかっていない――。

 機械仕掛けのメイドさん 完