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てっしゅう
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「熟女アンドロイドの恋」 第六話

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「梓ちゃん、訳あって名前は出せないのだがそれでいいのだろうね」

「もちろんですわ。本当にご無理をお願いするので、お口をきいて頂けるだけで幸せです」

「まあ、キミの頼みだから、ボクだけじゃなくここに来る客は誰も断れないよ、ハハハ~」

「ありがとうございます。こちらがお話しましたエイブラハム大使です」

二人は形式上の挨拶を済ませた。

「エイブラハムさま、ここではみんな仲間です。ご安心なさってください。さっそく明日にでもワシントンから本国へ打診をして、渡米して頂けるよう手はずを整えます。そこでお願いですが、秘書という形で梓さんと同行して戴けないでしょうか?」

「それはこちらとしてもお願いをすることでした。心行くご配慮に感謝いたします」

「内藤さんという方はご心配でしたら大使館にいらしてください。大使も研究なさっているバイオテクノロジーとやらに興味がありますので、快く迎えてくれると思います」

「重ね重ねありがとうございます。その件は伝えておきます」

梓は事が成就したあかつきには、内藤と結婚したいと考えていた。そのためにもここは乗り切らないといけない。

一週間ほどが過ぎて、アメリカ政府から正式な召喚状がエイブラハムに届いた。日本政府もこれには逆らえない。羽田空港でデルタラインに乗り込む搭乗口で、梓は内藤としばしの別れを惜しんだ。

「内藤さん、絶対に危険な真似はしないで下さい。裁判が決まりましたら戻ってまいります」

「ああ、大丈夫だよ。アメリカ大使館のお世話になるんだから、誰も手出しなんか出来ないよ。時折魔王に行って息抜きをする。キミこそ、慣れない土地で体調を壊さないようにしなさい」

「はい、ありがとうございます。わたくしは・・・内藤さんを以前よりずっと・・・ずっと、お慕い申しております」

梓のその言葉に内藤は解っているよという気持ちの眼差しで返事をした。

しかし、この後大使館へ向かう内藤の身に危険が忍び寄ってくる。