Hellhounds
「火事に見せかけて、家ごと焼き殺してやった。保険金で借金はチャラ。酔ってるときは、このバージョン。ほんと、馬鹿じゃないのって思うけどね」
いつの間にか深夜になり、二時を回ったところで堂島はベッドのど真ん中でそのまま眠った。昔実家で飼っていた猫を思い出しながら、駒井は掛け布団の端を持ち上げて、巻きつけるように堂島にかぶせた。
ソファに横になり、携帯電話の真っ黒になった画面を見つめる。自分の顔が映りこんでいることに気づいて、駒井は画面を裏向きにひっくり返した。
作品名:Hellhounds 作家名:オオサカタロウ