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思い出すさせる柿の実



柿の木坂の家という歌を歌っていたのは
誰だっただろうか遙か昔の子どもの頃
道いっぱいに広がっていた散った花
拾ってそのあとどうしたのだろう
あれはおそらく初夏

芸術と言う言葉も知らぬあの頃に
色づいた葉のまだら色に感じた美
それよりも興味と欲求のその先は
竹竿を使って穫っただいだい色の実
囓った瞬間の賭けに似た興奮

落葉の後に干し柿用の渋い大きな柿が
葉の陰に隠れて取り残されて現れた
夕陽を浴びて赤く輝いているその実を
苦労して穫って猫じゃらしの茎で半分に
柔らかく甘い果実を一緒に食べたのは誰

作品名:イメージ2 作家名:伊達梁川