「熟女アンドロイドの恋」 第三話
梓は内藤が何を研究しているのか知りたいと思った。
次に店に来た時にそのことを伝えると、大阪に来て欲しいと返事を貰えたので、ママに休暇をお願いして品川から初めてリニアに乗った。
トンネル続きの景色があまり見えない超特急はあっという間に大阪駅に着いた。地下の降車駅から長い高速エスカレーターで地上駅に出ると、内藤が迎えに来てくれていた。
「いらっしゃい、待っていたよ」
内藤は長い髪をさっぱりと切っていた。初めて見る紳士の姿に梓は気持ちが揺れる。
「内藤さん、髪切られたのですね。素敵ですわ~」
「そうかい。ありがとう。心境の変化かな、ハハハ~」
「あら?どなたかいい人でも出来たのかしらね。妬けちゃうわ~」
「まさか?この顔だよ。そんなことより研究所に向かう前にちょっと寄って行きたいところがあるから、まずそちらへ行こう」
タクシー乗り場から内藤が告げた場所はエイブラハムのいる自宅だった。
彼は単身赴任をしているが、国元には二人の妻と五人の子供たちがいた。日本人とは違う国家観で婚姻は自由に誰とでも出来た。もちろん養えればの話だ。
梓は歓迎を受けた。メイドが用意した昼食は豪華でどれもが美味しかった。
久しぶりに家庭料理というものを食べた気がして嬉しかった。
「エイブラハムさま、とても美味しいです。このようなお食事が毎日できて本当に羨ましいですわ」
「ありがとう。しかし、一人で食べるのは寂しいものだよ。だから内藤さんやこうして梓さんと食事が出来ることが嬉しい」
「そうですわね。やはり一人は寂しいと感じますね」
「梓さんは女の城でナンバーワンをしているので取り巻きにはたくさんの紳士淑女たちがいるから、モテモテで寂しくなんかないでしょう」
内藤がそう話すと、ちょっと淋しそうな表情になって返答した。
「いいえ、皆さんは確かに楽しい方たちばかりで私にとっては大切な方たちです。そのことと心休まるお付き合いが出来る人とは違います。内藤さんはご結婚されているのですか?」
「私は研究に没頭しているのでそのような相手を見つけるという暇はなかったんだよ。今も同じだけどね。私にはこの研究が妻みたいなものだよ」
エイブラハムがそれに答える。
次に店に来た時にそのことを伝えると、大阪に来て欲しいと返事を貰えたので、ママに休暇をお願いして品川から初めてリニアに乗った。
トンネル続きの景色があまり見えない超特急はあっという間に大阪駅に着いた。地下の降車駅から長い高速エスカレーターで地上駅に出ると、内藤が迎えに来てくれていた。
「いらっしゃい、待っていたよ」
内藤は長い髪をさっぱりと切っていた。初めて見る紳士の姿に梓は気持ちが揺れる。
「内藤さん、髪切られたのですね。素敵ですわ~」
「そうかい。ありがとう。心境の変化かな、ハハハ~」
「あら?どなたかいい人でも出来たのかしらね。妬けちゃうわ~」
「まさか?この顔だよ。そんなことより研究所に向かう前にちょっと寄って行きたいところがあるから、まずそちらへ行こう」
タクシー乗り場から内藤が告げた場所はエイブラハムのいる自宅だった。
彼は単身赴任をしているが、国元には二人の妻と五人の子供たちがいた。日本人とは違う国家観で婚姻は自由に誰とでも出来た。もちろん養えればの話だ。
梓は歓迎を受けた。メイドが用意した昼食は豪華でどれもが美味しかった。
久しぶりに家庭料理というものを食べた気がして嬉しかった。
「エイブラハムさま、とても美味しいです。このようなお食事が毎日できて本当に羨ましいですわ」
「ありがとう。しかし、一人で食べるのは寂しいものだよ。だから内藤さんやこうして梓さんと食事が出来ることが嬉しい」
「そうですわね。やはり一人は寂しいと感じますね」
「梓さんは女の城でナンバーワンをしているので取り巻きにはたくさんの紳士淑女たちがいるから、モテモテで寂しくなんかないでしょう」
内藤がそう話すと、ちょっと淋しそうな表情になって返答した。
「いいえ、皆さんは確かに楽しい方たちばかりで私にとっては大切な方たちです。そのことと心休まるお付き合いが出来る人とは違います。内藤さんはご結婚されているのですか?」
「私は研究に没頭しているのでそのような相手を見つけるという暇はなかったんだよ。今も同じだけどね。私にはこの研究が妻みたいなものだよ」
エイブラハムがそれに答える。
作品名:「熟女アンドロイドの恋」 第三話 作家名:てっしゅう