災難だと思って。。。
「駄目だからね!」
茜さんは、先に眼鏡屋を出て、扉の横で待っていた雅紀君に軽く指を突き付けました。
「いきなり、何?」
「レーシック」
呆れた顔で、歩き始める雅紀君。
「…するなんて言った覚え、ないんだけど」
「一応、釘を差しておこうと思って。」
数歩いて、茜さんが追いつける様に 立ち止まります。
「眼鏡を…しなくなるから?」
横に追いついて、小さく頷く茜さん。
雅紀君は、視線を前に向けて呟きました。
「必要なくなても…デートの時には、掛けてあげるって」
「伊達眼鏡は、邪道なの!」
「マニアの拘り?」
「私はごく普通の眼鏡好きであって、マニアじゃないから!!」
作品名:災難だと思って。。。 作家名:紀之介