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京大英語で8割をとるための実証実験

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京大英語で8割をとるための実証実験

 この文章を読んで見える方は、京都大学を志望している方ですよね。
「どうやれば、京都大学に合格できるのか?」
 を、どうしても知りたいのですよね。
 誰に尋ねますか?実際に合格してみせた経験者に聞きたいよね。単なる合格者だとボーダーラインギリギリの65%の正解率かもしれない。
 京都大学の英語は和訳と英作文がほとんどです。
「出身大学なんかどうでもいい。英検1級の方が確かだよ」
 とか
「帰国子女だから大丈夫」
 など、情報が錯綜しています。本当にそうなのか。日本には塾や予備校系の「受験英語」、英会話学校系の「資格英語」、そして、ネイティブ信仰とも言える「ネイティブ英語」の三種類が存在しています。

受験英語

 受験英語というのは、学校で教えている英語ですね。私がアメリカの中学校で教師をしている時に使ったら
「なんで、ミスタータカギはジジイみたいな英語を使うの?」
 と言われた英語です。授業中に、ネィティブの教師が私の授業を中断して
「今、ミスタータカギの使った単語は」
 と解説を入れられた英語です。
 なんで、そんなことになったか考えたことがあります。受験英語は、何を基本にしているかというと難関大学の入試問題が源です。科学論文や文学作品。それも、ある程度の評価を勝ち取った論文です。
 その著者の多くは高齢。それが出版されて、評価を受けるまで年月が流れ、それを読めるように日本の受験参考や問題集が書かれるわけです。出版社は売れないと潰れるので肩書のある人に参考書の執筆を依頼する。
 昔なら大学の教授。今なら大規模予備校の講師たち。そして、その参考書が評判を得るまでに、また時間が流れる。
 全部で、タイムラグは50年くらいになるのでしょうか。
 私は台湾旅行をした時に、日本統治時代に日本語を習得したおじいさんに会いましたが、とても懐かしい日本語を話されました。50年、60年も経つと言語の変化は激しいのです。
 たとえば、「-は当然だ」という英語を日本の受験生に尋ねると、みんな
「知ってる。 take it for granted that --」
 と言う。でも、私はそんな表現を見たり、聞いたりすることは稀です。多くネイティブは、it is natural that -- と言います。
 
 資格英語

 私は大学時代は、ECCに通っていました。大学では、ネイティブの先生についてLL教室で英会話を教えてもらっていました。NHKの基礎英語という番組も長い間、聞いていました。
 多くの場合は、日常の買い物や学校での出来事を英語にしてあり、それを何回も繰り返して覚えていくという手法で英語を教えていました。受験英語のように、文法的な解説より、暗記中心でした。
 でも、ある時に気がつきました。
「これって、オウムや九官鳥のように話せるような気になっているだけでは?」
 訳も分からず、ひたすら暗記では自分の考えを伝えることが出来ない。それでも、私は名古屋大学を現役で合格したので受験英語の上に資格英語を重ねたので救われる気がしていました。
 受験英語は、論文などの難解な構文や単語に偏りすぎています。逆に、資格英語は日常の生活にこだわりすぎて中身がスカスカで、高度な内容の表現ができないわけです。
 しかし、世の中は
「合格できないヤツは、黙ってろ!」
 という世界。とりあえず、英検1級くらい合格しないと発言権され得られなかったのです。

 ネイティブ英語
 
 そこで、私はアメリカに渡ることにしました。ユタ州のローガン中学校で教師をする機会に恵まれたのです。周囲にいたのは、教師たちと中学生。職員室での会話は、知的なものでしたし、中学生たちは日常の生きた英語がどういうものか教えてくれました。
 それは、受験英語でも資格英語でもありませんでした。だから、私は帰国後にCNNやABC放送を聞くようにしています。日本の教材はダメなのです。名古屋の大規模予備校、塾、専門学校で英語講師を14年間やりましたが、出会った英語講師の中に英検1級に合格している人に会ったことがありません。旧帝卒の講師も一人会っただけでした。
「現実の英語がどういうものか知らない人が英語を教えている」
 という実態は、結構ショッキングでしたね。でも、日本社会は有資格でないと認めてくれないので、英検1級、通訳ガイドの国家試験、国連英検A級、ビジネス英検A級など、当時知られていた資格試験に合格して見せました。

 京大英語

 ある時、京都大学の医学部を志望する子が塾に来てくれました。他学部なら、ボーダーが65%くらいですが、医学部だけは80%ほどです。京都大学の英語で8割を越えることができる英語講師はどれくらいいるのでしょう。
 アメリカで生活し、英検1級を持ち、名古屋大学卒業の私でも
「本当に、この英作文で8割を越えられるのですか?」
 と、不安を与えていたようなのです。だから、実証するしかありませんでした。
 でも、考えてみたら京都大学の医学部を卒業して予備校講師や塾講師になる人などいないでしょう。医者か研究者をめざすのが普通ですから。アルバイトでやっている人は、京都近辺にはいるかもしれませんけど。
 地方には、学校教師、予備校講師を含めて、指導できる先生はいないと思う。
 それで、自分で京都大学を受けて
「京大では、どんな英語が評価されるのか」
 を実証してみようと考えました。40代の後半の頃のことです。
 私は、受験指導を行っているので「受験英語」を熟知しています。また、英検1級を初め各種英語の資格試験に合格しているので「資格英語」も書けます。アメリカで教師をしていた関係で「ネィティブ英語」も大丈夫。
「この実証実験は、私にしか出来ない」
 という思いがありました。
その結果は、以下のようでした。

平成18年、20年(文学部)   正解率の平均  66%(受験英語)
平成21年、22年(教育学部) 正解率の平均 76%(資格英語)
平成24年、25年(総合人間) 正解率の平均 79%(ネイティブ英語) 

実践編

  自分の知った京大合格のためのノウハウを、自分の塾生に伝授しようとしたら
きれいに二種類の反応が現れた。一つは、
「なるほど」
 と、納得して合格していく子。もう一つは
「この参考書によると・・・」
 と、反論してきて耳を貸さない子。
 受験英語にこだわり、
「この文節は、どこに修飾しているのでしょうか」
 と、すぐに文章をバラバラに解説して欲しがる子。資格試験のように
「とにかく、模範解答を教えてください。暗記しますから」
 と言う子。
 前者は高学力の子に多く、議論を挑んでくる子は学力が低い子に多い。ネィティブ英語というのは、そういうアプローチと根本的に異なるのだ。考えてみて欲しい。2018年度の京都大学の英作文は、こうだ。

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