詩⑰
夢を見た きみの夢
青々とした野原を2人で走る夢
何年も前なのに情景は鮮明だ
追うようにして走る 走る
そのまま居なくなってしまうように
生き急ぐように 息を切らし
待ってと言えば 止められただろうか
けれど僕は その術も知らない
君の大事さも まだ知らない
フレームに収まる君の表情
いろんな顔をしているのに
僕はまだ君をちゃんと知らない
朝に散歩をすると きっかりその時間に
煩くなる君を 体調の悪さに任せて怒った
僕の体調は 結局良くならなかった
部屋で遊ぶ君は悪さばかり
構って欲しそうに尻尾を振って
粗相をしてまた逃げていく
どこへ どこまでも逃げていく
そのうち君は居なくなった
きっと君は気付かなかったろう
体温を失っことに
明日も生きようとよく食べよく寝て
悪戯をし怒られる
僕らは気付かなかったんだ
あまりにも君が元気に振舞ったから
ソファの隅に君の影を見る
愚かだろう 人というものは