詩⑰
春 君の生まれた月 ぼくときみが出会った月
赤毛の君はじゃじゃ馬娘だったよね
車中縮こまる君の小さな頭を何度も撫でた
君はとても寂しがり屋の甘えたがり
悪戯や無駄吠えに 毎日喧嘩したね
何言っても子供の君は聞かなくて 愛を強請ったね
落ち込んだかと思えば隙を狙ったり
策士の様に翻弄してきたね
外出は嬉しそうなのに人見知り
友達よりも僕達を優先 どこまでも幼子で
買ってあげた人形を我が子のように扱ったのに
命がないと分かると放る 小さいなりの母性
走り回る 駆け回る 飛びつく 擦り寄る
ああなんて愛しく尊かった君だろう
今日という日常を終わらせて眠る
深く深く力なく眠る
なんて孝行娘な子だったろう
僕はきっと酷い親だったろう 叱ってばかりいた
抱きしめた数と叱った数 そんな比率を計算しても
過ぎた時間は戻らないんだと 君は訴えている
けれども 本当に僕は君を愛している この先も