「サスペンス劇場 大空に蘇る」 第三話
「望月少尉のことは自分の憧れでありましたので、こうして再会することが叶って幸せであります。明日の飛行で自分の腕前を是非お見せしたいと思っております」
「そうか、昔の事なので忘れていることが多いが、キミたちの熱意には感心させられたような気がする。このゼロ戦は今まで操縦してきた機体と全く違う。特にエンジンはある回転数からターボがかかり急速に威力を増す。アメリカのどの戦闘機にも負けない性能と、B-29を上から攻撃することが可能な高度を飛べる」
話しをしているうちに望月自身が機体に機関砲を取り付けて、あの忌まわしいB-29を撃ち落としたいと思うようになってきた。
その日の就寝時に中島はあることを望月に相談した。
「望月さん、もしわれわれが未来に戻れなくなったとしたら、このままここでアメリカと戦うことになるのですよね?その場合は生き残る選択を考えてもいいということになりますか?」
「私はもうこの年齢だ。長く生きたいとは思わないから、ここのみんなと共に戦うことを選択する。キミは自由にするがいいだろう。ここは敵の攻撃を受ける場所だから逃げた方が賢明だ。年が明けて戦況は一変する。それまでにあの雲が空に現れたら再び突入して未来へ戻れるような気がする」
「あの雲がですか。来年、いやもっと先に雲が現れたとしてもお元気なら戻られますよね?」
「どうかな。もう悲しむ人間も居ないからここで人生を全うしても構わないと考えている。キミは飛行機と共にいないと叶わないので、難しいところだな」
「難しいとは、ゼロ戦を没収されるということでしょうか?」
「没収ではなく、戦力として攻撃力をつけて利用されるということかな」
「私はそのような技術を持っていませんので、不可能だと思いますが」
「爆弾を取り付けて敵艦に突っ込むということは可能だよ」
「特攻ですか!・・・そうならないことを祈ります」
翌朝早くに大島中尉が見守る中、ゼロ戦は順番に若い飛行士を乗せて飛行を繰り返した。
最後に中尉が搭乗してその驚異的な性能を目の当たりにする。
「望月、この機体に20ミリ砲を積んで敵を攻撃すれば、それこそB-29も撃ち落とせるのではないか?」
「その通りだと思います。しかし、技術的に後から機関砲を装着することは難しいと考えます」
「名古屋の工場に送れば叶うだろう」
「そうか、昔の事なので忘れていることが多いが、キミたちの熱意には感心させられたような気がする。このゼロ戦は今まで操縦してきた機体と全く違う。特にエンジンはある回転数からターボがかかり急速に威力を増す。アメリカのどの戦闘機にも負けない性能と、B-29を上から攻撃することが可能な高度を飛べる」
話しをしているうちに望月自身が機体に機関砲を取り付けて、あの忌まわしいB-29を撃ち落としたいと思うようになってきた。
その日の就寝時に中島はあることを望月に相談した。
「望月さん、もしわれわれが未来に戻れなくなったとしたら、このままここでアメリカと戦うことになるのですよね?その場合は生き残る選択を考えてもいいということになりますか?」
「私はもうこの年齢だ。長く生きたいとは思わないから、ここのみんなと共に戦うことを選択する。キミは自由にするがいいだろう。ここは敵の攻撃を受ける場所だから逃げた方が賢明だ。年が明けて戦況は一変する。それまでにあの雲が空に現れたら再び突入して未来へ戻れるような気がする」
「あの雲がですか。来年、いやもっと先に雲が現れたとしてもお元気なら戻られますよね?」
「どうかな。もう悲しむ人間も居ないからここで人生を全うしても構わないと考えている。キミは飛行機と共にいないと叶わないので、難しいところだな」
「難しいとは、ゼロ戦を没収されるということでしょうか?」
「没収ではなく、戦力として攻撃力をつけて利用されるということかな」
「私はそのような技術を持っていませんので、不可能だと思いますが」
「爆弾を取り付けて敵艦に突っ込むということは可能だよ」
「特攻ですか!・・・そうならないことを祈ります」
翌朝早くに大島中尉が見守る中、ゼロ戦は順番に若い飛行士を乗せて飛行を繰り返した。
最後に中尉が搭乗してその驚異的な性能を目の当たりにする。
「望月、この機体に20ミリ砲を積んで敵を攻撃すれば、それこそB-29も撃ち落とせるのではないか?」
「その通りだと思います。しかし、技術的に後から機関砲を装着することは難しいと考えます」
「名古屋の工場に送れば叶うだろう」
作品名:「サスペンス劇場 大空に蘇る」 第三話 作家名:てっしゅう