良いんじゃないかな(双子と三つ子)
「…何で着替えてないの!?」
恐る恐る居間のドアを開けた多美さんに、佐美さんは駆け寄りました。
「たぁー?」
「えーっとぉ」
「コーデに不満があるの?」
「そ、そんな事は…」
多美さんが部屋に入って来ようとしないので、佐美さんが腕を掴んで、引っ張り込みます。
「じゃ、何?」
「わ、私には、合わないかなって。。。」
「─ 同じ容姿の私には、似合うって言ったよね?」
「…」
何も言えないでいる多美さんの背中を、奈美さんが指で突きます。
「お部屋、見て来ました」
「え?」
「必要なアイテムが、探せなかったんですよね?」
「そ、そんな事は…」
奈美さんは、硬直している多美さんの顔を覗き込みました。
「部屋は、片付けた方が良いですよって…私、言いませんでしたか?」
「お、仰いました…」
「服も満足に探せない程、散らかすなんて。。。」
作品名:良いんじゃないかな(双子と三つ子) 作家名:紀之介