吹雪だ! ライダー!
ライダ~ \(\o-) →(-o/) / ヘンシ~ン!→\(〇¥〇)/ トォッ!
「お雪さんって綺麗だったわねぇ」
スキー旅行からの帰りのバス、はしゃぎ疲れた子供たちが寝静まると、志のぶがポツリと言った。
「ええ、肌なんか真っ白でね」
「今回は死神に騙されちゃったみたいだけど、本来悪い人じゃないしね」
「ええ、雪を降らせるのも、豊富な地下水のためには必要なことだし……自然のバランスを保つ役割を担ってるんだわ」
「またいつか逢ってみたいなぁ」
「あのね……逢えるわよ……」
「え?」
「あのね、『第一回怖いもの選手権』ってイベントに出演依頼が来てるんだって、今回、久しぶりに旦那さんとの思い出に浸ったから、それを寸劇にして出場することにしたって……ついでの時でいいから手紙を出しておいてって頼まれちゃった」
「『怖いもの選手権』? それって面白そうね」
「うん、志のぶさん、一緒に行く?」
「うん、行く行く」
「旦那さんは?」
「ああ、あの人ね、ああ見えて幽霊は苦手なのよ」
「それって意~外~」
「でしょ? 相手が怪人や化け物ならあんなにファイトを燃やすのにね」
そう語る志のぶの顔は幸せそう……お雪も巳之吉の言葉に嬉し涙をこぼしていた……。
晴子もまだ見ぬ伴侶に思いを馳せた……自分の前にその人が現われるのはいつの事なのだろう……。
だが、陰陽道にもそれを知る術はない。
終
作品名:吹雪だ! ライダー! 作家名:ST