「サスペンス劇場 京都の恋」 第三話
電話の向こう側で美代子は泣いているのではないかと尚樹は感じた。
「美代子さん、間違っていたらゴメンな。泣いてない?」
「尚樹・・・くん・・・会いたい」
「ちゃんとせなあかんよ。どこへ行けばええのん?」
尚樹は道順を聞いて美代子がいるアパートまでやっとたどり着いた。
玄関を出て待っていた美代子の目に尚樹の姿が見えた。
道路まで走り出して抱きついた。
どういうことなんだろうと戸惑いを見せる尚樹に美代子は少し身体を離して、
手をつないだ。
「さあ、家に行こう。ゴメンねビックリさせて。詳しくは中で話すから」
「うん、ほんまやで」
きれいに片づけてある部屋に入って、尚樹はソファーに腰かけた。
隣りにくっつくようにして美代子は座った。
「夏休みにあなたのところへ会いにゆくと約束したのに、電話が出来なかったことを許してね。実はね・・・入院していたの」
「ええ~どうしたの?交通事故?まさか病気やったん?」
「まさかの病気。でも今は心配ないの安心して。一時はどうなるかとあなたに電話も出来なかった。女の子だからいろいろあるのよ」
「手術でもしたの?」
「うん。でも大丈夫だから」
美代子の表情は大丈夫だとは言っていないと尚樹は感じた。
「夏休みに入っていつ電話が掛かって来るんか毎日毎日待ち遠しかった。電話をしようかと思ってたんやけど来ると言ってくれていたのでやめた。こんなことになっているんやったらもっと早くに電話したらよかったね。知らへんかったことゆるして」
「尚樹くん、また困らせること言うのね。今は気弱になっているからその優しさが嬉しさを飛び越して苦しく感じるわ」
「なんで苦しいのん?」
「私は25歳よ。尚樹くんは17歳」
「そんなことか、10年もしたら気にならへん歳になるやん」
「10年経ったら?・・・確かにそうかも知れないけど、もっと年とったらまた気になるよ」
「ボクが同じように7歳も年下やからあかへんわって言うたらそうねって言うの?」
「そうね、その時にならないと分からないけど、歳の事より大きなことがあるのかも知れない。ごまかしてはダメね」
「頼りないって思っているんやね」
「美代子さん、間違っていたらゴメンな。泣いてない?」
「尚樹・・・くん・・・会いたい」
「ちゃんとせなあかんよ。どこへ行けばええのん?」
尚樹は道順を聞いて美代子がいるアパートまでやっとたどり着いた。
玄関を出て待っていた美代子の目に尚樹の姿が見えた。
道路まで走り出して抱きついた。
どういうことなんだろうと戸惑いを見せる尚樹に美代子は少し身体を離して、
手をつないだ。
「さあ、家に行こう。ゴメンねビックリさせて。詳しくは中で話すから」
「うん、ほんまやで」
きれいに片づけてある部屋に入って、尚樹はソファーに腰かけた。
隣りにくっつくようにして美代子は座った。
「夏休みにあなたのところへ会いにゆくと約束したのに、電話が出来なかったことを許してね。実はね・・・入院していたの」
「ええ~どうしたの?交通事故?まさか病気やったん?」
「まさかの病気。でも今は心配ないの安心して。一時はどうなるかとあなたに電話も出来なかった。女の子だからいろいろあるのよ」
「手術でもしたの?」
「うん。でも大丈夫だから」
美代子の表情は大丈夫だとは言っていないと尚樹は感じた。
「夏休みに入っていつ電話が掛かって来るんか毎日毎日待ち遠しかった。電話をしようかと思ってたんやけど来ると言ってくれていたのでやめた。こんなことになっているんやったらもっと早くに電話したらよかったね。知らへんかったことゆるして」
「尚樹くん、また困らせること言うのね。今は気弱になっているからその優しさが嬉しさを飛び越して苦しく感じるわ」
「なんで苦しいのん?」
「私は25歳よ。尚樹くんは17歳」
「そんなことか、10年もしたら気にならへん歳になるやん」
「10年経ったら?・・・確かにそうかも知れないけど、もっと年とったらまた気になるよ」
「ボクが同じように7歳も年下やからあかへんわって言うたらそうねって言うの?」
「そうね、その時にならないと分からないけど、歳の事より大きなことがあるのかも知れない。ごまかしてはダメね」
「頼りないって思っているんやね」
作品名:「サスペンス劇場 京都の恋」 第三話 作家名:てっしゅう