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カブトアスカ
カブトアスカ
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ロジッククライシス 仮面精神暴走事件 序

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数十年前、アメリカ ニューヨーク。〃特殊能力を持った赤児〃が生まれたというニュースが流れた。以降各地で「特殊能力」は発見され原因も判然としないまま時は流れる。
 いつしか「能力」は「日常」に「架空」は「現実」に!!
世界総人口の約七割が何らかの〃特異体質〃である超人社会となった現在!混乱を渦巻く世の中でかつては誰もが憧れた一つの職業が脚光を浴びていた!!
〃超能力〃が発見され爆発的に増加した犯罪件数、法を抜本的改正に国がもたつく間勇気ある人々がコミックさながらにヒーロー活動を始めた。
 〃超能力〃への警備、悪意からの防衛、たちまち市民権を得たヒーローは世論に押される形で公的職務に定められる彼らは活躍に応じて与えられるんだ国からの収入を!!人々からの名声を!!
だが、約三割の人が何も能力を持たない〃無能力〃も存在する。俺もその一人であり夢を見ることさえも諦めていた。しかし、突然の出会いによって俺の人生が大きく変わり始めた。


「ここはどこ?」
 ベットの中にいたはずなのに気がついたら黒い世界にいた。当たり一面、闇みたいに黒く俺がいるところが上なのか下なのか分からないし、右左も分からない。ここにじっとしていてもしょうがないのでとりあえず歩き始めることにした。
 しばらく歩き始めると声が聞こえた。
 「・・・・・・・」
 「・・・くれ」
 「誰か助けてくれ」
 誰かいるのか!?だけど声は聞こえるがどこにいるのか分からない。いったいどこにいるのだろうか。
 「誰かいるのか、いるんだったら返事しろ」
 しばらく、時間をおいて声の主は答えた。
 「もし、この声が聞こえているのなら聞いて欲しい、この世界は崩れ始めている着々とな。だけど、恐れる必要はない君は抗える力を持っているのだからな」
 「力!?いったいどういうこと!?教えてよその力のこと」
 しかし、黒い世界は消え去り光輝く世界に移り変わった瞬間俺の部屋へ戻された。
「夢?にしては結構現実見があった気がする」
よく考えたが、考えれば考えるほどよく分からなくなりベットから出て学校に行く準備をはじめてリビングにいった。


 俺の名前は結城達也。浦山中学校の中学二年生だ、家族は俺以外全員がヒーローというものすごい家系だ。
「よう、起きたか達也」
「おはよう、鉄也兄さん」
 この人は結城鉄也。俺の二番目の兄さん、大和高校で高校二年生。
 大和高校は日本で数少ないヒーロー免許が取得可能な高校であるなおかつ成績もよく、今は学校を通いながら父さんが経営しているヒーロー事務所でインターンをやっている。
 俺の父さん、結城実はヒーローで日本でトップ5といわれる有名なヒーローである。
 母さん、結城由夢は父さんのサンドキックで全力で父さんのことをサポートしている。
 それで一番目の兄、結城卓也は父さんの事務所には入らずに違うヒーロー事務所に所属してヒーロー活動を行っている。
 俺は何も能力を持たない無能力者なんだ、超能力は五歳までに発症するだけど俺は発症しなかった。詳しいことは分からないけど、昔のことは記憶にない。
「ん?どうした?」
「ううん、何でもない、父さんたちは?」
「父さんたちだったら朝早くから仕事に行ったよ、昨日ヴィランが暴れていたからな」
 そう言って鉄也兄さんはテレビを指した。テレビの内容はヴィランのことを報道していた。
 「昨日午後七時頃に仮面を被ったヴィランが突如暴れていることが分かりました。しばらくしてヴィランはヒーローに拘束されましたが、ヴィランは自分が暴れていたことは覚えていないと言っており容疑を否認しています。」
「最近、物騒になってきたな」
「確かになここのところ仮面精神暴走する奴がばっかりいるから参っているんだ、捕まえて事情聴衆すれば私はそんなつもりはなかったとか、覚えてないとかそんなのばっかりだ」
「でも、そう言うだったら本当に覚えてないのかも知れないじゃない?」
「それじゃあ、仮にヴィランが暴走して市民に怪我させてそいつがそんなつもりはなかったって言ったら許せるのかよ!!」
「わりぃ、言い過ぎた忘れてくれ」
「こっちこそ、ごめん変な事言って」
しばらくの間、お互いの会話がなく黙々と朝飯を食べ、食器の片付けをどっちがやるのかを話し合い朝は鉄也兄さんがやり、夜は俺が夕飯と食器の片付けをやることに決定した。
「食器の片付けありがとう鉄也兄さん、それじゃあ、行ってきます」
「おう!気をつけていけよな達也」
そう言って俺はドアを閉めて学校に向かうことにした。


「おっす!おはよう!達也」
「おはよう、蓮君」
元気よく挨拶をしてくれた子は朝倉蓮。明るくてクラスのムードメーカー的な存在、身体能力や超能力や勉強にも恵まれている男子だ。
 「そういえばさ、昨日テレビ見てたらさ仮面精神暴走事件の特集がやってったんだよ」
「最近、多いよなその事件、今日テレビのニュースであの事件のことやってったから鉄也兄さんが愚痴をこぼしていたよ」
「確かに多いよなここのところ、昨日テレビの偉い人がいってったんだよ、人の精神はもう危ない精神崩壊が来るのも時間の問題だって」
「それは言い過ぎでしょ」
 昨日のテレビの話、仮面精神暴走の話をしたら、次は今日の授業はなんだろうとか何でもない話をしていたらチャイムがなったので自分の席に着き、そのあとに担任が来てホームルームが始まった。
 国語の授業のことだった、先生が教科書を読みその内容説明する、あぁ暇だ、暇すぎて仕方がない。そんなことを思い浮かべながら昨日の夢のことを思い出した。
 (そういえば、昨日の夢ってなんだっただろう。この世界が崩壊するっていったい)
 「結城、結城達也!!」
 「あ、はい!」
 「ずいぶん、余裕ようだな。俺がいった内容を分かりやすく説明しろ」
 「ええと、えーと」
 (やべぇ、授業全然聞いてなかったから説明しろって言われてもできねぇよ)
 考えていたらチャイムがなり授業が終ったと安心していたら予想外なことが起きた。
 「もういい、結城今日の授業ところ分かりやすくノートにまとめて次の国語の授業までに提出しろ」
 (え!?嘘だろ!)
 「どうしたんだ?今日、授業ぼげーとしてたけど」
 帰り道を歩きながら蓮君がそう言って俺は答えた。
 「ちょっと、考え事をしていたんだ」
 「なになに?クラスの女子に気になる人がいるのか?」
 蓮君がものすごくニヤニヤした顔で言った。
 「違うよ!別に気になる女子はいないって、ただ昨日見た夢のことを考えていたんだ」
 「アハハ、昨日見た夢のことを考えてたって乙女チックにもほどがあるだろ!」
 蓮君がからかい始め、俺は物凄く恥ずかしくなったので、無理矢理この話から切り替えようとした。
「もういいって、そんなにからかうなら、違う話しよーよ」 
「悪い、悪い、冗談だってそんなに怒るなよ、真剣に話聞くからさ」
 まだニヤニヤしているがさっきよりは落ち着き始めたので昨日の夢のことを話した。
「昨日の夢、ちょっと変わってたんだよな、物凄く暗かったし、声が聞こえたし、世界が崩壊するとか言ったし、気がついたら起きてた」