僕は、ある日突然、女子中学生になった。
夢ではない!リアルに女の子になって
「久美子、またジーンズの長ズボン」
「だって、この服装のほうが気が落ち着くから」
「女の子だから、もっとかわいい服装をしたら」
「でも・・・、僕、いや、私・・・あまりかわいい服装をするとジロジロ見られそうで」
「そうなの」
新しい母親は、僕に対して笑顔で話しかけてくる。僕からすれば大人の女性。話をすると緊張をする。
女の子になってみて感じたのは、中学一年だから胸のところがチクチク痛いし、他に生理的なところでも不便さを感じるし、ピクルスの瓶の蓋を開ける握力がない。
今は二○二○年、東京オリンピックの年。そして都内の街に引っ越してきて、大きなビル(マンション)がたくさあって戸惑うことが多い。
僕はミニスカートに長い髪に憧れていたけど、あれはアイドルだから似合うモノだと思った。でも足の組み方とかでパンツが見えてしまうので気を遣う。鏡に映る自分の顔がボーイッシュな女の子みたいに見える。
つづく
作品名:僕は、ある日突然、女子中学生になった。 作家名:こーぎープリッド