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新・覇王伝_蒼剣の舞い【第2話】

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 ドラゴン神族___。ドラゴンの転生がなされるのを蒼剣と共に待ち、再び転生するまで遺産を守る一族。
 いつしか、蒼剣は覇王へ導くと云う伝説だけが一人歩きし、本当の覇王伝説を知るものは数少なくなってしまった。
 「清雅さま、貴方はドラゴンの転生です」
 狼靖のいつもと違う厳しい口調に、清雅は是も否もしなかった。
 彼の性格上、逃げる事はしない。勝手だといいながらも、この七年間蒼王の地位からも逃げなかった。15年前、黒抄に母を殺され、その母に蒼剣を委ねた前覇王の存在も、彼にとっては事実であり、不思議と復讐と云う気は起こらなかった。
 今、清雅の胸で燃えているものは天神やドラゴン、そして父・覇王と同じ。
 「相変わらず、勝手だぜ。あんたは」
 「耳の封印が解かれたのは、____」
 斗宿がそういって、清雅を見た。封印が解かれたのは、彼の心が蒼剣の意思と合致したからだと。四国を守るという蒼剣に宿ったドラゴンの意思と。
 ドラゴンの転生として目覚め、蒼剣は真の姿を現した。
 『斗宿、アレを守って欲しい。吾の代わりに』
 前覇王が、亡くなる数日前に斗宿に告げた。
 『桜に蒼剣を渡したのは、この吾だ。危険なのは理解っている。だが吾には時間はもうないだろう。覇王家も崩壊するだろう。だが、四国には望みがある。ドラゴンの転生である真の覇王が目覚めれば。せめてアレが大人になるまででいい』
 ドラゴンの遺産を守る一族の末裔として最後の望み。しかしそれだけではなかっただろうと、斗宿は云う。
 父として、我が子の行く末を案じ、見届けられぬ哀しさ。
 斗宿は、清雅の母・桜を守れなかった。蒼国に居続けるのは懺悔もある。しかし、覇王との約束を最後まで果たさねばならぬ。
 清雅が、ドラゴンの転生として目覚めるまで。
 「ただ、問題があっての」
 「これ以上の面倒はご免だぜ」
 「問題とは?斗宿どの」
 「蒼剣が完全に目覚めるには、ドラゴン七星が必要なのだ」
 そんな斗宿の脳裏に、自分を襲った一人の男が浮かんでいた。