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新・覇王伝_蒼剣の舞い【第2話】

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          ※※※※※※※※※※
 蒼国王城へ戻ると、狼靖が「やはり貴方か」と斗宿を見て呟いた。
 斗宿は蒼剣について、ドラゴンの転生について皆にも理解ってもらう必要があると清雅についてきたのだ。
 「父上、知り合いだったんですか?」
 「…まぁな。北方七星の斗宿だ」
 「北方七星…?」
 「蒼龍、白虎、朱雀、玄武の下には七つの星がある。玄武なら北方七星という風にな。しかし、斗宿どのはずっと行方不明と聞いていたが」
 「ほほほ、覇王陛下の命ですじゃ、玄武さま。蒼剣を本来の主に渡すまで、わしは北領から消えましたのじゃ」
 「やはり____」
 「父上?」
 やっと理解った。25年前、覇王家から消えた蒼剣が何故、龍王剣として妹の元にあったのか。しかも、清雅が触れると蒼く反応していた。
 桜も狼靖も、触れても反応しない龍王剣が清雅だけに反応した。未だ幼い当時の清雅にだけ。
 前覇王は、気付いたのだ。生まれた四番目の息子に隠された事実を。
 「それじゃ、もしかしてセイちゃんが本来の主?」
 「冗談じゃねぇ」
 「冗談ではありません」
 「……」
 「貴方は、覇王となる運命です。覇王家の、いえ、四国の伝説通りに」
 狼靖の言葉に、誰もが息を呑んだ。
 直ぐに反応したのは、星宿だった。
 「昔、天から龍が舞い降り四国を作ったと云う伝説ですか?」
 「そうだ」
 覇王家と深く繋がりをもつ二人は、その伝説を思い出していた。

 話は、三百年前に遡る。当時の四国は、未だ混乱の時代にあった。ある一族の力の支配に置かれ、常に争いのそんな時代である。
 そんな時、天が蒼い光と共に突如割れ、龍が地へ下った。地を解放する為に天神が放った使役か、龍はやがて人へと姿を変え、人々を導き解放した。
 その時、手にしていたのが蒼剣であったと伝説は記す。そして四国ができ、男は何度も転生し覇王として以後三百年、四国を守ったと云う。
 「それが、ドラゴンの転生と云われています」
 星宿は語り終えて、最後にそう結んだ。
 ドラゴンの転生____三百年繰り返し転生し覇王として、四国を守ってきた人物。
 「ちょっと待ってください。じゃ前の覇王さまは…」
 「覇王陛下は、ごく普通の方だ。元はこの東領の一主。だが、三百年続いたドラゴン神族の末裔でらした」
 「ドラゴン神族?」