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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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3人のビートリィ

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 昔々ある国に、背の低い男の人と、中くらい背の男の人と、背の高い男の人が住んでいました。名前は、3人とも、「ビートリィ」と言いました。

 今日は、3人で遊園地に行くことにしました。みんな、ウキウキ、ワクワク。遊園地で遊ぶのをとっても楽しみにしています。


 ところで、その遊園地に行くには、一本の橋を渡らなければなりません。その橋の下には、卓球ボールよりも大きな二つの目と、耳のほうまで裂けた大きな口のある、それはそれは恐ろしい女巨人が住んでいるのです。

 それを知らない3人のビートリィは、その橋の前まで歩いてきました。まず、一番背の低いビートリィが、橋を渡りはじめました。背の低いビートリィが歩くたびに、橋がとた、とたと鳴りました。
「だ〜れ〜?あたいの橋をとたとた、とたとた歩いてるやつ」
 すると、一番背の低いビートリィが答えました。
「ちぃーっす。一番背の低いビートリィっす」
 女巨人は、大きな声で言いました。
「あたいに黙って橋渡ろうとしたあんたを、一飲みにしてやるんで!」
 一番背の低いビートリィは、怖がらずに言いました。
「まぁ落ち着いた、落ち着いた。自分の次に、別のビートリィがここを通るんだ。そいつ、自分より背ぇ高いよ」
 女巨人は、吐いて捨てるように言いました。
「だったら、あんたに用はないよ。この橋渡っちゃって!」
「サンキュー」
 そう言って、一番背の低いビートリィは、すたすたと橋を渡っていきました。
作品名:3人のビートリィ 作家名:藍城 舞美