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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「サスペンス劇場 因果応報」 第二話

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知子は何となくだが木下の視線を最近強く感じるようになってきた。
平林は相変わらず優しく典子に対しても色目を使ったりすることが無かった。自分に対しての愛情は強く感じられる。
知子の心の中にくすぶっている一つの不満を除けばこんないい彼はいないだろうと思える気持ちが、木下を見ていると揺らぐ。

木下はいわゆるモテるタイプだったから、典子との前にも何人かと付き合っていた。女は顔じゃないと常日頃から誰に対しても話しているから、巨乳である知子に強く惹かれるのだろう。それに、平林がすぐに出ると言ったことも気になっていた。

事件、いや事故は突然に起こった。
偶然仕事先に典子がやってきて、聞いて欲しいことがあるから仕事が終わったら会いたいと平林は言われた。
それほど気にかけることもなく、いいよと返事して地下鉄乗り場の傍にある喫茶店へ入った。

典子の話というのは驚くべきことだった。

「平林くんは知らないと思うけど、この前ね木下さんが知子ちゃんと二人で会ったの。どうしてかと言うと、私が浮気をしているらしいから相談にのって欲しいって言ったらしいの。でもそれはね嘘で、本当は誘惑したのよ」

「ええ~それ本当の話?知子は電話番号を教えたのかな?」

「なんでも勤め先に電話したみたい」

「迷惑な話だね。知子も何故ボクに話さなかったんだろう。やましいことが無ければ木下さんと会うからって言えばいいのに」

「そうよね。私がそのことを知ったのは知子ちゃんから電話があって、話したから。その時にね、平林くんには内緒にして欲しいと頼まれたの。考えたけど、なんだか許せなくてあなたの仕事先に来ちゃって迷惑だろうって思ったけどどうしても話したかったの」

「ありがとうって言うべきかな。それにしても知子は木下さんと何かあったのかな」

「心配よね・・・なんか話しちゃって悪いことしたね。私ねもう彼とは別れることに決めたの。木下さんはどうも浮気っぽくて信頼できないって感じた。平林くんは先輩としてどう思うの?」

「どうって、高校生のころからモテていたことは事実だよ。羨ましいって思っていた。でも典子さんみたいに美人でもほかに気持ちが移るだなんて信じられない。ボクは男として何かが欠けていたのかなあ~」

「平林くんは悪くなんかないよ。素敵だと思うよ。何があったのか分からないから悪口は言いたくないけど、知子ちゃんも何考えているのか分からないね。聞いてみたら?私から話されたって言ってもいいよ」

「うん、でもいいや。何も知らなかったことにして、付き合って行けるならそれでいいから」

「優しいのね・・・私なんか絶対にダメ」

典子は平林から誘って欲しかったのだろうか。口調は未練がましくなっていた。