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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「サスペンス劇場 因果応報」 第一話

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「私だって女子校だったから付き合ったことないの。だから今日は待ち遠しくて昨日はよく寝れなかった」

「おれで良かったら付き合ってくれないか?大切にするよ」

「本当に!嬉しい・・・私なんかでいいの?デブだけど」

「デブなんて言うなよ。おれが痩せているからちょうどいいって思うよ」

店を出て地下鉄に乗って知子と同じ駅で降りた。

「家まで送るよ」

「平林さんはどこなの?」

「偶然だけど、住んでいるのは道の反対側の、ほら見えるだろうあそこのビルの二階」

指を差した場所には一階が不動産屋になっている三階建ての建物だった。

「一人暮らしなの?」

「そうだよ。ちょっと寄ってみる?まだ時間が良ければ・・・」

「うん」

知子はこのとき本当のことを言わないといけないと考えていた。
それはさっきの会話で誰とも付き合ったことが無いと言ったウソをだ。
何故そんなことを言ったのか解らなかったけど、そう言った方が平林に良い印象を与えるだろうと感じたのだ。

六畳一間の部屋に入ってしばらくは話をしていたが、それとなく近づいて平林はぎこちなくキスをしてきた。それに答えるように首に手を回した知子は、このまま最後までゆくかもしれないと覚悟した。

そしてその通りになった。まだ会って初日だったのに何ということを許してしまったのだろうとちょっとはしたない気持ちが表れた。
平林は初めてだったのだろう、気持ちに焦りがあることが分かった。
スキンを持っていなかったので、中で出さないように言って受け入れたが、直ぐに抜いてお腹の上に射精された。

それは一瞬のことだった。
前に経験がある知子にとっては最初だからこんなものなんだろうと思っていたが、平林の早漏は治る気配が無かった。
しかし、それ以外の面では優しく、見てくれも良かったので我慢するしかないと言い聞かせていた。

交際して一年が過ぎ、お互いに好きだったフォークソングのコンサートに出掛けた帰り道、一緒に会場に来ていた平林の先輩カップルとお茶をすることになった。
その先輩はモデルのような美女を彼女にしていた。