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てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
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「サスペンス劇場 因果応報」 第一話

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人は悪いことをしてはいけないと良く言われる。その最大の理由が、後になって自分へ返ってくるからという理由だ。
妻を寝取られた憐れな男の因果を描く。

高校を卒業した知子は就職の前に近くのスーパーでバイトを始めた。
少しぽっちゃりとした巨乳の男好きする体つきをしていた。

バイト先の男性社員からよく声を掛けられたが、知子には気になる男性がいたから誘いを断っていた。
明日四月一日に就職先の本社で入社式がある。前の31日が最後のバイトだった。
夕方になってみんなに挨拶をして従業員出口から出た知子はあるところへ向かった。

そこはハンバーガーショップだった。
笑顔の店長が知子に声を掛ける。

「いらっしゃいませ。バイト今日が最後だったんだろう?お疲れ様」

「うん、明日から仕事だからちょっと不安」

「大丈夫だよ。きみは笑顔が可愛いから」

「本当に?ありがとう」

いつものチーズバーガーとコーヒーを買って帰ろうとしたときに、店長が表に出て来て声をかけてくれた。

「なあ、明日入社式の帰りにお祝いしてあげるから晩ごはん食べに行こう。仕事は休みだから六時にギャラリーの前で待っているよ」

「ええ?それ本当」

知子が好きだったのはここの店長だったのだ。
天にも昇るような気持ちで、「ハイ、六時ね」と答えた。

ギャラリーとは地下街にある自動車メーカーの展示スペースで、最新のスポーツカーが飾ってある。そこの前は小さな噴水があってロータリーになっているから、多くのカップルが待ち合わせ場所として利用していた。

時は昭和48年四月一日。
知子18歳、ハンバーガーショップ店長の平林は20歳。
夕方六時になって二人は待ち合わせ場所から地上に出て、繁華街にあるピザレストランへ入った。

「知ちゃんは付き合っている人いるの?」

平林はそう切り出した。

「いません。店長はいるんでしょ?可愛い人が・・・」

「店長はやめろよ。名前で呼んでくれ。彼女なんていないよ」

「カッコいいからモテるって思ってた」

「きみこそ可愛いから彼がいると思っていたよ。お互いにいないなんて偶然かな?」

「そうね、私ねずっと平林さんのこと気になっていたの。どんな彼女と付き合っているんだろうかって」

「そうなんだ。恥ずかしいけど女の子と付き合ったことないんだ。もう二十歳なのに情けないよ」