既視感。(双子と三つ子)
「私達と同じ様な服、良く持ってたねぇ…」
先を歩く亜子さんは、自分の肩越しに振り返りました。
俯き気味の私の腕を、佳子ちゃんが引っ張ります。
「お揃いなの…恥ずかしがってる?」
「こう言うの、初めてなんで…」
「─ いつも学校で お揃いなのに!」
「え…?」
ショッピングモール吹き抜けに面したベンチエリア。
その入り口で、私は立ち止まりました。
「─ もしかして、制服の事言ってる?」
「3人、おんなじ服だよね♡」
先に座っていた亜子さんの隣に、勢い良く腰を下ろす佳子ちゃん。
手招きに応じた私は、2人が座るベンチに向かって歩き出します。
「学校の制服を<お揃い>とは言わないと思う。。。」
作品名:既視感。(双子と三つ子) 作家名:紀之介