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慈雨と甘雨 2

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次男蟻は口に入れていた食物を吹き出さないように手で抑えながら声のした後ろを見た。ツヒがテーブルを挟んで一つ向こうの椅子に座っていた。先程の子供蟻たちはそこにはいない。それどころか、この食堂には配膳係の女蟻以外、誰もいなかった。
「あなたがいつか話してくれると信じていますよ」
そういってツヒは二階に続く螺旋階段のほうに向かった。次男蟻の方を振り返ることはなかった。

 

作品名:慈雨と甘雨 2 作家名:晴(ハル)