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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「新恋愛病院・不倫病棟」 第二十三話

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美玖には母が女なんだと言われた言葉が汚いことのように感じられた。

「早奈枝さんが言われる女だということは、具体的には性欲を満たすことを指すのですね?私には父親が居るのに他の男性と身体の関係を持つだなんてどのような理由があろうとも許せません。父がもし浮気をしていたとしたら少し同情はしますが」

「そうね、お母さまが他の男性と仲良くすることは社会的には認められることではないね。それは私も同じように思うわよ。今のあなたの年齢では決してわからないことがあるの。それはあなたにあってお母さんにないもの、若さよ」

「若さ?それと浮気とどう関係するのですか?」

「美玖さんは独身で美人だから男の子が寄ってくると思うの。お母さんも綺麗な人だけど結婚しているから男性から声を掛けられるということは少ない。だからお父さんに大事にして欲しいと求めてゆくと思うの。お前は家のことだけしてもらえばおれは満足だから、気にしてくれなくてもいいよ、って言われたら、私だったら浮気しちゃうなあ~」

「父がそんなことを言ったのですか?母からは聞いていません」

「お父さん、お母さんと一緒に遊びに出掛けたり、両親だけで旅行したり、買い物したりされていた?」

「いえ、父は休みの日も仕事に行くと言って出かけていました。男の人が家族のために働いてくれることは当たり前じゃないのですか?」

「美玖さんは結婚して旦那さんが子育てと家の掃除洗濯なんかを自分に押し付けて、遊びにもゆかない人だったら、それを夫として、父親として当然と思えるのね?」

「本当に仕事が忙しい夫なら仕方ないと思います。子供にもそれを解らせるように努力したいです」

「優等生ね。自分がそういう風に考えられるから、他人も同じように考えるべきと思ってない?」

「ええ?どういう意味ですか」

「あなたとお母さんは違う女性。我慢が出来る美玖さんと我慢が出来なかったお母さんがいるとしたら、何故浮気をするようになったのか考えるべきだと私は思います。何がなんでも悪いことをしたのだから許せないというのは簡単よ」

「母親はどうして男の人と仲良くなったのですか?」