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もやもや病 9

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85 声を出そう

辛いことがあったら、困ることがあったら、やっぱり声に出してみよう
人に聞いてもらおう、頭の中で一人思うときには、大きく膨らんだ不安も、人に言ったら小さくしぼんでくれるかもしれない

こんなこと言っても仕方がないこと、という思い有ると思う
解決にもならない事って
でも、それでも声に出してみよう

どこか身体が痛いとき、痛いっと思わず声が出ること有る
それで、家族が気が付いてくれることもある
どうしたの?大丈夫?って反応があったら、それだけで痛いことの半分消えているかもしれない
人なんて弱いもので、男性も女性も
痛いって思わず声が出たときに、誰かが気にとめてくれると言うのはそれなりに良いもののはず

だったら、心が痛いとき、どうしようもなく重いものを抱えてしまったとき、寂しいとき、辛いとき、この思いも声に出して言おう

血の出るような傷だけが痛いことではないのだから、血が出るような傷なら治療の仕方もあるけれど
心が痛いときの治療は、それはどれほどの人が自分を心配し、愛してくれているかということを実感することからではないかと思うから

難病と宣告されて辛くないわけがない
その思いを分かる人に言おう
狭い地域の中で知られたくない思いの人がほとんどで、だからこそ、患者会の存在理由があり、ネットの仲間がいるのだろう

きっと今の辛さは一人だけのことじゃない、みんな経験してきているのだから

子どもが病気と宣告されたとき
手術を考えなくてはならないとき
就職のこと
結婚のこと
出産のこと
今の職場でのいじめのこと

みんな辛くて重いことばかり
どこでその心の痛みを解消することが出来るかというのは、きっと、とっても大きな大切なことだと思う

ずっと、自分のことは人に言わずに、甘えないで突っ張ってきた子どもの頃からの私
おとなしくしているからどこか痛いのかと母に聞かれても何も言わなかったと母が言っていた
その時は身体の痛みだったかも知れない
毎回痛ければいちいち言わずに済ませることも子どもでもあることで
でも、私はもう少し家族の愛情を信じていたら、もっと素直に、ここが痛いと言えたのではないかと思うようになった

痛いと聞かされれば、心配する
私の周りの人のことみんなが心配で
でも心配してもどうにもならなくても、心配させてくれるようにと思う

ひとりの人をどのくらいの人が気にかけてくれているのか、そのパワーがきっと伝わってくれるものと思うから

何か用事をしながら、頭の中で空回りするような心配事があったら、昼間一人でいる私、声に出して言ってみている、ああ、どうしようかなあって
声に出して言うことで、きっと、そうか、そんなに大きな事じゃないかもしれないと思えたり、仕方がないから頑張ろうと思えたり、答えじゃなくても元気が出てくるかもしれない

人という字は支え合ってこその人
ひとりぼっちにならないで、声を掛け合っていけたら良いなあと思っている

作品名:もやもや病 9 作家名:とことん