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もやもや病 7

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70 就労

患者会の活動で、厚生労働省と話しをしたとき、就労に当たって、難病があることを企業側に告げずに就職が出来るものかという話が出た

今は、雇用側は、就労希望の人に対して、プライバシーに関することは聞いてはいけないという指導をしていますという返事だ

学校の先生が、これを書かずに送り込んでは今後何かあったときに、この学校からの紹介は受けないと言われると困るので、ありのままを連絡しますと言う話しがあったので、何となくくいちがいの感じがした

個人の不利益になるようなことは聞かないと言うのに、自分からそれを言うことはない…

でもこれは雇用側が理解していても、就労希望の人はこのことを知っているのですかと聞いたら、その返事はなかった

そしてまた、何とか就職出来ても、今後の不都合があって、仕事が出来なくなったとき、解雇ということに関しては、どこにもそれを持っていく省庁がないのだとも聞いた
労働基準監督署に話しを持っていっても、解雇というのはまた違う管轄なのだそうで
それに働きかけをして、給与保証をしたとしても、そのことだけで、気まずくなった職場に戻れるというものではなく…

でも、多くの人が、例えば、難病を持っていたらこのことを理解してもらうために聞かれなくても自己申告しているように思う、言わないといけないのかと思う人もいる
このギャップは何だろうか、雇用側に指導があっても、就労側にそのような指導がされているのか

以前、患者本人が、通院のための有給休暇の届けをだしたら、その日からずっと休んでくれていいからと言われたと聞いた
そんな不当なことを黙っていたのかという人も居た
けれど、不当を認めさせても、その人が職場に復帰は出来ない、居るところがない、そんな戦いに気持ちを辛くすることが良いこととは残念ながら思えない

けれどまた、障害者手帳を使っての障害者雇用の場合は別なことで
これは必ず、ハローワークを通さなければいけない、自分には、これこれというしょうがいがあって、それでもこういう事は出来るからとお話しをして仕事を見つける

大きな企業には、障害者雇用という枠があり、一定数の障害者を雇用するという決まりがある
(難病患者も、そのくくりの中には入れているのだと厚労省は言う)
また、この雇用に当たっては、企業側に給料の半額の補助がある
確か1年ぐらいの期間だと思ったが、その期間が過ぎると、雇用されなくなると言う話を聞いたこともあるのが現実なのだが…

そのほか就業に際しても月に何時間働くという数字の決まりもあるようで…

でもとにかくとっかかりとして、就労したいと思うとき、難病であるだけの人には、その雇用率も関係してこない
同じくくりの中に入れていると言いながら、雇用率とかいうときには難病患者は含まれない
これは身体障害者基本法という法律の制度としてあるもので、その中に手帳を持たない難病患者は含まれていない

難病であっても、症状が落ち着いていれば、働かないわけにいかない
難病の中でも、重度軽度という分け方をすれば、軽度の人は、障害基礎年金の対象からもはずれている

年金は、20才過ぎれば、払わなくてはこの先、しょうがい者になってもその資格が無くなる
親がかりでありながら、年金を納めていることになって…

障害基礎年金が受給出来るようになれば、納めることなく受け取れるのだが、でもこの資格があるという時点で、難病患者には就労は遠い話しになるようなそういう程度のことでもある

私は、まだまだ分からないことだらけだが、難病患者は、法的な制度の中で守られるべきと思っている
心臓のペースメーカーをつけて働いておられる方も居る
人工透析をしながらお仕事に就かれている方も居る

難病の、どの部分が、内部疾患の障害者との違いがあるのかと思う…とても難しい話しだ…
でも、本当は、もっとやさしい話しであるべきと思うのだけれど

フリーターとか派遣とかいう言葉が広まるようになったとき
多くの難病患者がその言葉に紛れることが出来たような気がした
好きでフリーターなのじゃなく、派遣なのではないけれど、そう言う立場にいることをどうして?という目で見られずにすんだ…

けれど、この不況で、派遣切りと言うことが表に出てきたとき、難病患者は、この中にいるのだと思うと…
病気もなく、自分の努力で就職することが出来る人の中で、もっと困る状況の中にいるのではないかと…

不況は誰にも辛いけれど、中途半端な難病患者にも、もっと辛い…
作品名:もやもや病 7 作家名:とことん