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季節ものショートショート

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 僕の部屋は、真っ白な壁に囲まれていて、ベッドがぽつんと置いてあるだけだ。
 たまにお母さんやお父さんが来るけど、夜はいつも一人で、こわくて、大嫌いだった。
 白い服を着たおじさんやお姉さんに、早くうちに帰りたいと言ったら、もう少ししたら帰れるからね、と言われた。

 次の日、お昼になると、約束していた場所に行った。
 そこには昨日の女の子が、昨日と同じようにいて、僕は安心した。
 そんな僕の様子をみた女の子が、
「どうかしたの?」
 と、心配そうに聞いてきたけど、僕は、なんでもないよ、と、うそをついた。
 それから、毎日毎日その女の子とあそんだ。

 しばらくして、僕はうちに帰れることになった。
 だけど僕は、女の子と離れるのがいやでしかたがなかった。
 僕は帰りたくなかったから、こっそり部屋を抜け出して、いつも女の子と待ち合わせをしているところに行った。
 いつも会っている時間より、とても早い時間だったのに、そこには女の子がいつものようにいた。
 僕はおどろいたけど、同じように女の子もおどろいていた。
「どうしたの、こんなに早く? なにかあったの?」
 そう聞かれたから僕は、うちに帰ることになったことを伝えると、寂しそうにわらいながら、
「よかったね、うちに帰れることになって」
 と、言った。
 その笑顔が僕には、泣いてるみたいに見えて、
「だいじょうぶだよ。うちに帰っても毎日あそびにくるから。だから、また明日もあそぼう?」
 そう言ったら、女の子はすごくうれしそうにわらって、
「うん!」
 と、答えてくれた。
 その日はおとなしくうちに帰った。
 次の日から僕は、女の子に毎日会いに行って、今までと同じようにあそんだ。