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もやもや病 2

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19 次男と母として

夫は、次男の病気のことはだいたいのことしか知らない
深いところの情報や思いは、全部私が関わってきたから

でも、しょうがい者ということにはいくらか心をくだくようにはなったと思う
身体しょうがいの、次男より少し若い人が入ってきたときにも、いろいろ親身になって考えたし、次男とのこともうまくいくようにと考えたようで
次男は、その人と自分を比べるということも刺激としてあったように思う

でも、それでも身体しょうがいと次男とは違うと相手からは思われる
年が上でもバカにされる…
そういう経験だって何回もあった…

職場が親のところで良かったと他の人に言われるけれど、そのときにはそうは思えなかった…
夫は職場では父ではなかったし、次男も父とは呼ばない
そういう割り切りをしている中で、頭痛で休むことを
来たくないから痛くなるのかという聞き方は、だいぶしっかりしてきた次男を、僕をずる休みと頭から決めてかかっているというような思いにさせたのかもしれない

お父さんが大好きだった子ども達
私の手は余っても、お父さんの手はいつもふさがっているような子ども達だったのに、遊び下手の夫のことがわかってしまったことも含めて、批判するようにもなったのかもしれない

部屋の中がうるさいから、かかってきた電話を階段に腰掛けて話をしているとき
真上にいる次男には私の言葉がそのまま聞こえるわけで
お母さんはよその人には優しい、僕には厳しかったのにと、言われたこともあった…

頭が痛いと言って午前中休むのはこの子達共通の様子です、決してずる休みじゃないから、無理をしないで、イヤミなことを言わないでゆっくり寝かせてあげてね…
2,3時間眠ることが、薬を飲むより効くようだからと

そういう話を聞きながら、次男は私にどんどん心を開くようになった…
あなたが頭が痛いと言うのの、もしも仕事に行きたくなくて痛いと言うことが何回に1回でもあるのだとしたら、お母さんにだけは、行きたくないから疲れたから休むと言ってくれる方が良い
頭が痛いと言う言い方じゃなく言って欲しい
お母さんは休んでも良いと思っているから

そんなことを繰り返し言うようになって、次男は頭が痛いを逃げ場では言わなくなったと思う

熾烈な起こり方をしてきた私の子育ての卒業のようなときだったかもしれない

次男は3歳の時まで末っ子だったのがお兄ちゃんになったあとから、長い時間をかけて、またあの頃のかわいい子どもになって帰ってきてくれた気がする
次男の、こんなはずではなかったという思いの子育てを一番引きずったのは私、わかっていながら、やっとこの数年で、次男を愛せるようになった
今、この子が長男、娘と少し違った…イヤ、同じかもしれないけど…なんだかわからないけど、とても可愛い
こんな38歳なんて年になって可愛いもおかしいけれど

大変なことになったという思いの中で必死だった頃、心配ばかりだった頃のことを思うと、今のこの平和がとにかくありがたく、この平和だからこそ、もうこれ以上の症状が出ないようにと願っている

作品名:もやもや病 2 作家名:とことん