小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

もやもや病 1

INDEX|14ページ/14ページ|

前のページ
 


10 大阪の病院へ

脳室内出血を起こした次男が小学校6年になって、だから倒れて1年後と言うことだが大阪に良い先生が居ると聞いて出かけてみようと思った

夫も、夫の母も私のしたいように、行きたいと思うのならどこにでも行くようにと、出してくれた

セカンドオピニオンだ…

日曜日の午後に、患者会の集まりがあるのを会報で知っていた
だから、泊まるのはその集まりのあった京都にした

京都にお昼頃について、そのまま講演会の会場に、講演をお聞きした
明日大阪の病院に行くのだと話をしたら、リハビリの先生が、後で診てあげるからと言って下さった

翌日の月曜日
京都から大阪の病院まで出かけた
受付時間の前に病院に行ったけれど、お昼もとらずに、診察室に呼ばれたのは、2時頃だった
脳波とCTを撮った
その結果を聞くのに診察室に入ったとき、その日の先生に
何しに大阪まで来たのか
今の先生に助けてもらったんでしょ

と言われた
患者会の人に聞いてきた話とはずいぶん違った…
4時半を過ぎて、廊下にはもう待っている人は居なかった

何回も通りかかったリハビリの先生があとで上に上がっておいでと言って下さって、リハビリ室で、右手のマヒを診ていただいた

肩は大丈夫、指先だけのことだから、でも右足も弱いから、気を付けてね…

このリハビリの先生に診ていただくことが出来なかったら、何しに来たのかわからないという思いで帰ったと思う…
本当にありがたかった…

5時過ぎの病院のバスに乗せていただいて駅まで帰った…
京都の駅まで戻ってもう1泊した

夕食は京都の町で、いつもよりちょっと豪勢な夕飯にした…けれど、美味しかったのかどうかわからない

その日の担当の先生は、セカンドオピニオンを良いと思っていなかったのだろうか…
患者会の人の良い病院というのはどういうことなのだろうと思った…

後でわかった、私は、この病気の1番良いと言われていた先生の日じゃない診察を受けてしまった

患者会の集会に出ることと合わせて考えたことが失敗だった

でもこの時の先生も、予約をしたときには看護師さんが良い先生だからと言われたし、患者会の講演もされているのを聞いたことがあった…

翌日、京都の太秦に行った
せっかくの次男と2人だけの関西…病院の往復だけで帰るのは忍びない

お侍さんの格好の人と一緒に写真を撮らせてもらったけれど、次男はにこりともしない楽しくないの?
疲れた…

それから、伏見稲荷に行った
長い階段をやっと歩いてお参りした

帰りの伏見稲荷の前のお土産屋さんで、次男は、雀焼きを食べるという
焼けていた雀焼きの串を持って食べるところを見て、修学旅行の男子学生が、わぁ~よく食べるよなぁ~と言っていた^^

次男が食べていたそばから、まだ焼いていない雀焼きの串を持ってきたのを見たら、私もわぉ、と思ったけど…
次男との旅行は、本当につまらなかった…次男の気持ちが伝わってこなくて
新幹線の中でもただ眠っていたような…

その時のことを思うと、今はウソのような、次男とのやりとりの出来る、楽しい旅行も出来ることに有りがたいと思っている
作品名:もやもや病 1 作家名:とことん