クリスマスプレゼントは、ここに
そして、自宅のドアを開くと、すぐに廊下へ妹が顔を出し、「どこに行ってたの! とっくに準備できてるよ!」とエプロンを揺らしながら怒鳴った。僕は明るく笑いながら、「ロールケーキも買ってきたよ」と包みを振りながら、靴を脱ぐのももどかしく、居間へと入っていく。
クリスマスプレゼントは、もしかしたら僕がいるこの日常こそ、そうなのかもしれない。そう思った。何でもない一つ一つの物事が、実はクリスマスの輝きを持っていて、それを僕らは見付けるべきなんだ、と少し思いながら、そっと居間のドアを開いた。
「メリークリスマス!」
了
作品名:クリスマスプレゼントは、ここに 作家名:御手紙 葉