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武藤ゆたか
武藤ゆたか
novelistID. 63991
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モニのフクス

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なにか静かなザワメキがサワサワと聞こえるような絵だった。不気味だ。

 席にすわり、ぼくらは注文した。
「えっと、小エビのサラダと、ムール貝でしょ、あとバッファロー
モッツァレラというチーズ。生ハム、それとエスカルゴ。計五品ね
「承りました」
「それとー、ノンアルコールワインの、
<MICHELE CHIARILOのBAROLO>というワイン。これにします」
とぼくは注文した。
「わたしは、<Signatures のEN BOREAUX>という
ノンアルコールワインを」イザナは注文した。
 
 食事はすぐ出てきた。みんな思い思いにワインを注ぎ、
乾杯をした。「かんぱーい!」
「さっ食べよ、食べよ」
スサノが言う。
「おいしーっ」イワが言う。
みんな、モグモグ食べている。おいしそうだ。
「サイゼリアって、昔から美味しくて、コスパいいよね」
「ほんとそう。ワインも美味しいし」
「ガストもおいしいぞ。僕は好きだな」
「ガストもいいよね。よく行く」とぼくは言った。

 ぼくらは会話しながらノンアルコールワインを飲み食べていた。
「イルミナティって、変わるんだって」
ぼくは話し始めた。
「巨悪の塊で、ついに変わるときが、きたみたい」
「もっと、聞かせて」イザナが言う。
「大統領選挙で、どちらかが、勝つでしょ。すると、
その負けた方のグループや一族が、根こそぎ殺されるって」
「そうなんだ」ホノニがいう。興味がありそうだ。
「その時、ドル紙幣の、ピラミッドのシンボルが、変わる」
「それは、いつ?」
「たぶん、すぐ」ぼくは続けた。
「そうなんだ」
「そのあと、イルミナティは改革され、統合されるんだ」
「なんでも、Mという神の怒りに触れたから、らしいよ」
ぼくは言った。
「その後、お金は、自然とバランスを取り戻すんだ」
「お金のことがまだある。利子が無くなり減価する。自然の
摂理と同じように、お金が腐っていくんだ。な、自然だろ。
地域通貨もあるかもしれないし、利子は減るかもしれないが、
根幹は腐っていく。こんなかんじかな」
「ふーん」アマテはいう。
「人間は奴隷から開放されて、リンゴを食べない『楽園』に住むんだ」
「もう、重労働や苦痛はないの?」イワが聞く。
「うん、無い。もうなくなるんだよ」
「どこから、そんな知識を?」ホノニが聞く。
「これさ」とぼくは<石版>ーーーー<スマートフォン>を見せた

「ま、難しいはなしは、ここまでにして乾杯しようぜ」
「かんぱーーーーい!!」
みんなで一緒に、ノンアルコールワインを飲んだ。
 ほろ酔いのあとぼくらは会計にむかい扉をあける。

 左側の扉にはスサノが右側の扉にはツクヨがそこの中央をアマテが通った。
突然ライトが倍の明るさになった。まるで光があたるように。
まるで天使が微笑むように。虹がかかるように。

「救われた、奇跡よ」イザナがそっとつぶやいた。

 家に帰るとニュースがテレビから流れていた。
『大統領選挙の結果が出ました、なんと意外にも、
 あのスキャンダルまみれの候補が勝ちました!!、これは
 意外な結果です』
 コメンテイターは言う。
『これは想定外ですね。報道を見る限り相手候補が圧勝すると
思っていたのですが、世論調査でもそうだったのですが、
びっくりしました。意外な結果です』
『これは、世界が変わる始まりかも、しれません』
わたしは階段を登り自分の部屋でぼんやりしていた。
「今日の食事会、楽しかったな。なんか美味しいワインだった。
光が急に明るくなったのには驚いたけど」
「なんてったっけ、あの男の子・・・・・・ツクヨって
言う名前の人だったっけ」
その瞬間ラインが<ピカ>となった。
『イザナさん、こんど二人でお逢いしませんか?、学校近くの
公園でいいので、よろしくお願いします(星マーク)』
「うわっ、ほんとにきたよ、うーん、どうしよう?」
<はい、行きます。昼の3時に、公園のベンチでいかがですか?>
と送る。
<了解しました。ありがとう!、では水筒一つ持ってきますね>
わたしは読むと嬉しくなり心がキュンとなった。
「なんか、いいことの予感かも、そんなきがする」
そうして眠りについた。深い眠りに。まるで眠り姫のように。

 ぼくは公園に向かった。学校の近くの公園だ。
彼女ーイザナはもうベンチに座っていた。
「あえてうれしいです。いきなりだったかな?」
「う、ううん、いいよ。うれしかった」
「そう、よかった」
公園ではブランコで親子連れが遊んでいる。無邪気に。
日差しはまあまあだった。
「あのこれからなんですが、映画とかカフェとか一緒に
行きませんか?、九回から十九回、少しづつ出かけていきたくて」
「はい、ぜひ」
彼女は微笑みながら照れてうつむいていた。
「手をつないでもいいかな?、嫌ならいいよ」
とぼくは勇気を出して言ってみた。
「はい」
小指と小指が触れ合い、手と手が固く握られた。
イザナは身体がビクッと震えた。ぼくもビクッと震えた。
突然公園の鳥が一斉に飛び立つ。山にはきれいな虹がかかっていた。とても美しい。

 ぼくらは、こうしておつき合いすることになった(らしい)。
スマートフォンを観ると『ドル紙幣が変わることになりました』
『暦が旧暦になります』『中東で和平が成立しました』
とニュースが届いていた。
 家に帰り、夜空には大きな花火が、夜景に打ち上げられていた。
ドーーーーン、ドーーーーン。
 人生にはリスクはつきものだ。だがベストを尽くせば、
運命は開けるとぼくは思った。これは小さな東洋の島国、
日本のあるこじんまりとしたおとぎばなし。
<すべては、仰せのままに>
天上の神がささやいた。ぼくは神々に六回ウインクをした。

おしまい。
作品名:モニのフクス 作家名:武藤ゆたか